「アルパカ星へ」のあらすじ

「アルパカ星へ」のあらすじ

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第一話「転落事故」
 主人公の青年が帰宅途中の橋の上で、会社の不満をもらしている。次第に鬱になり、自殺願望に駆られ、冗談半分で身を投げる真似をすると、背負ったリックから重要な書類が落下してしまうというアクシデントに見舞われる。反射的にそれを拾おうとしたら、体勢を崩し青年は落下してしまう。
第二話「命拾い」
 川面がみるみる近づきもうだめだと観念した瞬間、青年の身体は得体のしれない巨大な白い生き物の上に落下し命拾いする。青年とその得体のしれない生き物は突然の出来事にパニくり、必死に川岸にたどり着き、ともにそこで力尽き伸びる。
第三話「つかの間の安堵」
 青年は恐る恐る自分を救ってくれた巨大な生き物のほうに目を向けると、それはろくろっ首のような妖怪。仰天したが、振り向いた顔は予想に反するアルパカそっくりの愛らしい生き物。思わず青年がふきだすと、その妖怪はアルパカ星から来たと言う。妖怪がしゃべったことに青年が動揺していると、背後から何者かの声が…。
第四話「新たな妖怪」
 背後から現れたのは、アルパカ星人より可愛くないラマ観光の添乗員という妖怪。ラマ観光の添乗員は青年を見るとひどく動揺し、アルパカ星人が地球人に接触した事故を責める。
第五話「絶体絶命」
 ラマ観光の添乗員はこの事故をもみ消すために青年を銃殺することに決めた。ラマ観光の添乗員は、青年の必死の命乞いも、アルパカ星人の制止も聞かず青年に銃口を向ける。
第六話「蘇生」
 悪夢から目覚めほっとする青年。どうやって自分が帰宅できたのか思い出そうとしていると、突然部屋のドアが空いてアルパカ星人が現れた。
第七話「衝撃の朝」
 青年の状態を心配しながらアルパカ星人はここは自分の部屋だと明かし、カーテンを開ける。動揺して窓の外を見る青年がみた光景は…。
第八話「悪夢か天国か」
 窓の外では、アルパカ星人が人間が朝行うようなことをしている光景が。悪夢からまだ冷めていないんだと、青年はおもいっきり自分の頬をはたく。
第九話「命拾いした理由」
 アルパカ星人は青年が命拾いした理由を説明する。青年は、ラマ観光の添乗員が自分に銃口を向けた瞬間、河原の方向に身を翻し、その勢いで前のめりに倒れ、河原の石に頭をぶつけ気絶して命拾いしたことを知る。
第十話「隠蔽工作」
 青年はアルパカ星人から、青年が意識を取り戻し事故のことをバラされることをひどく恐れていたラマ観光の添乗員が、青年を仮死状態のまま他の乗客に知られないように帰路の途中にこっそり捨てて証拠隠滅をしようという企みをしていたことを聞かされる。
第十一話「愛は青年を救う」
 その事実を知って怒り心頭の青年は、アルパカ星人にそのピンチを切り抜けられた理由を訊く。アルパカ星人が青年の命を救わなければ真実をバラすぞとラマ観光の添乗員に脅迫したおかげで自分が助かったことを知り、感動する青年でしたが…。
第十二話「救命の代償」
 虫扱いされたと誤解し、地球に帰してくれと迫る青年。しかしアルパカ星人は自分が全責任を負うことを約束して救命に成功したので、ラマ観光の添乗員を裏切るようなことはできないと拒絶する。もし真実がバレてしまったことがラマ観光の添乗員の耳に入ったら、約束を反故にした罰として今度こそ抹殺されてしまうと青年は知る。
第十三話「高まる閉塞感」
 落ち込む青年を励ますアルパカ星人の優しさも受け入れられない青年。しかしアルパカ星人を部屋から追っ払うと、今後の展開に絶望を感じ頭を抱える。
第十四話「ダイ・ハード」
 ここに留まっている限り明るい展望はないと見切った青年は、この家からの脱出して、地球に帰る道を探ることに希望を見出す。そう思うと、一秒も待てず、行動を起こす青年だが…。
第十五話「ロープに短しカーテンに長し」
 カーテンをつなぎ合わせてそれをロープにアルパカ星人の家から脱出するというアイデアを実行に移す青年。二階から地上程度の長さにカーテンを結び合わせたはずだが、なぜか丈が足りず一階にいたアルパカ星人に見つかってしまう。
第十六話「みな同じ旅人」
 アルパカ星人は大慌てで青年のもとに行き、その無謀な行為を諌める。ところが、青年は反省するどころか、自分の孤独な気持ちを理解できないアルパカ星人を責める。しかしアルパカ星人は、自分も青年と同じ旅人だと答える。
第十七話「偶然の違い」
 皆同じ旅人だと思う理由をアルパカ星人は説明する。その持論に青年も納得し、前向きに考えようと思い始める。が、そのとき、アルパカ星人を「パパ」と呼ぶ小さなアルパカ星人が現れた。
第十八話「大スベリの自己紹介」
 その幼いアルパカ星人は、「青空」という名のアルパカ星人の息子だった。青空が青年に挨拶を終えると、今度は「ミント」という名のアルパカ星人の妻が現れた。アルパカ星人が今後、青年が同居するようになると打ち明けてもミントは動揺もせずそれを受け入れ、青年の名前をアルパカ星人に訊く。そこでお互いにまだ名前を知らないことに気づく。まずアルパカ星人が自分の名前を「そよ風」だと明かすと、今度は青年が鉄板のギャグを交えて「ケンシロウ」という名を明かした。
第十九話「そよ風ファミリー」
 ケンシロウの自己紹介は大スベリに終わったが、青空は北斗の拳の突きのポーズに興味を持ち、それは彼が好きな戦隊ヒーローの新しい変身ポーズかと訊く。そうだと適当な返事をかえすと、青空は目を輝かせて、それに関するさらに突っ込んだ質問をしてくる。次第にウソがばれ、その窮地を救うべくそよ風が助け船を出す。ようやく青空の質問攻めが終わると、ミントが朝食をすすめてきた。それに応じ、居間に案内されると、そよ風の他の家族がいた。
第二十話「デレデレなケンシロウ」
 大家族に驚くケンシロウに、そよ風は、彼の父のリーフと、母のマリー、そして娘のアルトを紹介した。アルトのキュートさに目を奪われたケンシロウがテンパった挨拶をしていると、いきなりリーフが「ニイちゃんは、役所の人かね?」と口を挟んできた。
第二十一話「不毛な会話」
 「役所?」とケンシロウが聞き返すと、どうやらリーフは支給と地球を聞き間違えているようで、ケンシロウはこれは相当ボケているなと思った。その後も、チキュウと言っても、キキュウと間違える始末。ケンシロウはもうお手上げだと呆れていると、リーフは朝食が済んでいるのも忘れ、勝手にケンシロウのために用意された朝食を食べ始めた。
第二十二話「ケンシロウの好物」
 ミントはリーフの食べ残した朝食を新しいものに取り替えてくれたが、ケンシロウの表情は優れない。出てきた料理がすべて草食動物が食べるようなものばかりだったからだ。肉好きなケンシロウは、これから、こんなものばかり食べされるのかと思うとげんなりし、ついに好物を告白する。その願いに応えたいと思うそよ風であったが、どんな肉を用意すればいいのかわからない。そこへ青空が、ケンシロウの大嫌いなネズミの肉はどうかと提案する。
第二十三話「食わず嫌い」
 ネズミを食べさせられたら敵わないと思い、ケンシロウはお世辞を言って苦手な野菜料理を食べようとする。しかし、生野菜をカットしただけの馬の餌のような料理に抵抗感を覚える。が、何も食べなければ飢え死にしてしまうし、そよ風ファミリーにも嫌われ、居心地の悪い暮らしに追い込まれてしまう。それを恐れ、ケンシロウは覚悟を決めて料理に手をつけた。すると、予想もしないおいしさだった。いろんなものを試してみたが、どれもおいしく、心身共に健康になっていくようだった。
第二十四話「郷愁」
 おいしそうに食べるケンシロウをみて、リーフは「うちの野菜は、とくにうまいからの」と自慢した。これは自分ちの畑でつくった野菜かとケンシロウが訊くと、その意味がわからないと逆に聞き返される。マリーにもわからないと言われ、戸惑うケンシロウ。それに対しそよ風は、それぞれの家庭に割り当てられたエリアの畑でつくった野菜だと説明する。それに納得したケンシロウがミントに勧めに応じておかわりをすると、そよ風ファミリーはそれを喜び合う。仲の良い家族の光景を見て、ケンシロウは郷愁にむせび泣く。
第二十五話「とんだ勘違い」
 ケンシロウが食事を済ますと、みんなそれぞれ職場や学校に出かけていき、家に残ったのは、ケンシロウとリーフ、ミントの三人だけになった。さらには家事があるというミントも、ケンシロウにリーフの相手を任せて消えてしまった。話題に困ったケンシロウが当たり障りのない天気の話題からはじめると、予想通りいリーフはとんちんかんな返答をする。面倒くさくなったケンシロウは流れに任せた対応をすると、リーフはいきなりキレて、「お宅、新入りかい?」と訊いてきた。ケンシロウが何の新入りなのかたずねると、「介護に決まっているだろう」と答えた。
第二十六話「家族の責務」
 ケンシロウが介護ヘルパーでないと否定すると、リーフはそれを確かめるためにミントを呼ぶ。ミントはケンシロウの言うとおりだと答えながらも、家族の一員になるのだからリーフの世話をする責務を負ってもらわなければならなくなることをにおわす。ケンシロウがそれに重いストレスを感じていると、ミントは午後一時には自分も仕事にいかなければならなくなると告げ、家事に戻ろうとする。そうなるとリーフの面倒をみなければならなくなると先読みしたケンシロウは、大慌てでミントを呼び止める。
第二十七話「初めての実習」
 ケンシロウは、いきなりリーフの介護を任されても困ると、ミントに言おうとしたが、先を越されてリーフに「シッコ」と言われてしまう。ケンシロウがリーフがもよおしたことに気づいて、声をかけてくれたのだと勘違いしたミントは、ケンシロウに礼を述べ、トイレ介助のやり方を教えるからついてこいと言う。ミントの魅力につられてトイレに同行すると、ミントは手際よくリーフの介助をして小便をさせる。ケンシロウが見とれていると、ミントは「こんな感じでお願いしますね」と言った。実習が終わると、ミントはすぐに家事に戻る。その直後、リーフはケンシロウの肩をつついて「んこ」言う。意味がわからず聞き返すと、それは大便をしたい意思表示であることがわかった。
第二十八話「オーマイガー」
 リーフの「んこ」にたじろいだが、ミントに迷惑はかけられないと思い直し、ケンシロウはミントに頼らずにトイレ介助をする覚悟をする。しかし、さきほどのトイレのドアを開け、リーフを便座に移そうとすると、リーフに「違う」と言われる。身体の持ちあげ方が悪かったのかと思い、いろんな方法を試してみるが、受け入れてもらえない。何がいけないのか詳しく訊いてみると、「んこ」はこのトイレでなく、隣のトイレでするそうだ。戸惑いながらもリーフに言われたとおり隣のドアをあけると、確かに洋式トイレが置かれてあった。その便座にリーフを移しているとき、ケンシロウはうっかり何かのボタンを押してしまった。ウィーンという電気音と共に、便座裏のふたが開き、出現した溝から「んこ」が流れていくのが見えた。
第二十九話「「んこ」の力」
 「んこ」が溝を流れていくのを見て、ケンシロウが絶叫すると、ミントがすぐに駆けつけてきた。ケンシロウが下手な言い訳をすると、ミントはすぐに事情を察し、ボタンを押してフタを閉めてくれた。ケンシロウがフタがついている理由を訊くと、ミントは溝に詰まったうんちを掻き出すためにあると答える。また、うんちが詰まる理由は、水で流せないからだと答える。だから、ここではおしっこもできないと言う。ケンシロウが、なぜこのトイレでは大便しかできないのかと訊くと、うんちを燃料として使うためだとミントは答える。さらにはうんちを畑の肥やしとしても使うと言う。こんな美人のうんこも肥やしのなるのかと喜んでいたら、用を済ましたリーフに「これでおいしい野菜がいっぱいつくれるのう」と言われ、吐き気をもよおす。
第三十話「午後有給?」
 リーフは用を済ますと、ミントに昼飯の催促をした。時計を見れば、11時48分。お昼の準備を始めてもいい時間なので、ミントは要望に応じる。出勤前の家事処理に忙しいミントの手を煩わしたことを申し訳なく思ったケンシロウは手伝いを志願する。ミントはそれを喜ぶと、二人は一緒に昼飯の準備に台所に入る。しかし、ミントにカットするように命じられた野菜の量にケンシロウは驚く。それでも素直に従い、ミントの指導を受けながらカットしていると、そよ風が現れた。
第三十一話「うらやましい労働」
 ミントと仲むつまじく会話するそよ風に、ケンシロウは「今日は午後有給かい?」と尋ねる。しかし、そよ風は午後有給の意味がわからないと答える。ケンシロウがその意味を説明しても、よく理解できないようで、そよ風は午後休みをもらっているわけではないし、これがいつもの勤務形態なのだと言う。一家の主が半日しか働かないで、どうやってこの大家族を養えるのか不思議に思い、それならよほど給料のいいところに勤めているんだとケンシロウは訊く。それもそよ風は否定し、アルパカ星では4時間労働が普通の働き方なのだと答える。今度はそよ風が、地球ではそんなに長時間労働をしているのか尋ねる。そうだとケンシロウが答えると、そんな働き方では何のために生きているのかわからなくなってしまうと、そよ風は驚きの声をあげる。ケンシロウも同じ思いを抱いていたので、自分の考えに合うアルパカ星に親近感を抱く。
第三十二話「介護の引き継ぎ」
 ケンシロウがそよ風とそんな会話をしていると、マリーも仕事から帰ってきた。リーフの催促に応じて、みんなで協力してランチの用意をする。ランチを食べ始めるやいなや、そよ風が「打ち合わせをしよう」と言った。そよ風はまず自分の予定から話し、午後4時までならリーフの面倒を看られると言う。4時からの介護を引き受けたのはマリーだった。ついでに夕食の準備もしておくと言った。それを訊いて、仕事の後に市の会議が入っているというミントは有り難がる。そよ風家のランチミ・ーティングを聞いていたケンシロウは、半日労働をうらやましく思っていたが、みんなけっこう忙しいことを知る。
第三十三話「明るい介護の秘密」
 そよ風ファミリーのランチ・ミーティングに耳を傾けていたケンシロウは、彼らがリーフの介護に押し潰されないで、アットホームでいられる理由に気がつく。その秘密とは、介護のバトンタッチがしやすくなるよう、それぞれが違う時間に働くような予定を組んでいること。それに半日労働ならば、介護の時間も短縮でき、それぞれの負担を減らせる。また、半日労働でも、全員の労働時間を足せば、フルタイムと同等の収入が得られ、家計も安定するということである。悲壮な思いで介護問題と向き合う母国とはえらい違うと、感心しながらランチ・ミーティングを眺めていると、リーフはケンシロウの午後の予定はどうなるのかと声をあげた。そよ風に、午後も介護実習をするかと訊かれたケンシロウは拒絶する。そよ風が対応に困っていると、マリーが農業実習はどうかと提案する。ケンシロウは、リーフの介護よりマシだと思い、ぜひそれをやらせて欲しいと懇願する。
第三十四話「マリーの家族に乾杯」
 ランチの片付けが終わると、マリーは「畑に行きましょうかね」とケンシロウに声をかけた。しかし、外に出れば他のアルパカ星人に出会うことに気づいたケンシロウは及び腰になる。そんなケンシロウの背中を押すように、そよ風は「後片付けは自分がやっておくから、行ってください」と言う。ミントもそよ風に出勤を促され、ミントとマリーは、仕事ができることの幸せを語り合う。そんな会話をされては、居候の身のケンシロウは家で遊んでいるわけにもいかず、重たい気持ちをひきづりながら、二人の後に続いて外に出る。すると、さっそく二匹のアルパカ星人がこっちに向かって飛んでくるのに出会う。
第三十五話「吠えるケンシロウ」
 ケンシロウらの方にやってきた親子と思われるアルパカ星人は、マリーに挨拶しながら、驚きの顔でケンシロウを見る。特に子どもは興味津々で、上の空で挨拶を返しながら、「これ何?」とマリーに訊く。もの扱いされたことに腹を立てたケンシロウは、その男の子を睨みつける。怖がる子どもに、マリーは怖がらなくてもいいとなだめる。なでても噛みつかないとマリーに太鼓判を押されたので、子どもは、恐る恐るケンシロウの頭に手を伸ばす。しかし狂犬扱いされたことに腹を立てているケンシロウは、噛みつくマネをする。びっくりした子どもは泣き出す。とんだ事態になったことに、マリーは平謝りする。父親は謝罪を受け入れるが、ケンシロウを一瞥して、「変わったペットを飼っていますね」と言う。さらにプライドを傷つけられたケンシロウは、「オレはペットじゃない!」と吠える。
第三十六話「特ダネ」
 「ペットがしゃべった!」父親のアルパカ星人が絶叫すると、ケンシロウは噛みつく勢いで、それを否定する。マリーもそれに同調すると、父親のアルパカ星人は「じゃ、何なんですか?」と訊く。マリーが「異星人です」と答えると、彼はさらに驚き、「これは、スクープだ!」と身を乗り出す。スクープという言葉にマリーが警戒心をあらわにすると、彼は新聞記者であることを明かす。そして、どこの星から来たのかと、早速質問し始める。その質問に答えようとするマリーを遮るように、お調子者のケンシロウは「地球です!」と返答する。しかし、いきなり始まったインタビューにマリーは割り込み、それを中断させる。
第三十七話「マリーの心配」
 インタビューの制止に入ったマリーは、取材を受けるかどうかは、少し考えさせてくれと言う。記者がその理由を尋ねると、取材が原因で、世間の注目を集めることになり、家庭の平穏が乱されるようになったら困ると答える。それに対して記者は、取材を避けても、ケンシロウの存在を隠し通すことはできるものではないと言う。それでもマリーは、即決しようとしない。記者はいらだちを隠せず、早く取材を受けてしまったほうが、アナタたちも楽になれるんだと言う。マリーがその理由を尋ねると、取材を受けて公表すれば、ケンシロウの身元の説明は一回で済むが、取材を避けていれば、誰かと会うごとにいちいち説明しなければならなくなるからだと答える。また、アルパカ星人は順応性が高く、友好的なので、すぐにケンシロウを受け入れてくれるはずだから、そんなに心配することはないと付け加えた。しかし、ケンシロウの場合は異星人だから、そんな具合に事が運ぶか心配だとマリーは言う。だったらアナタはどうだったのかと記者は訊く。そして畳みかけるように、アナタはケンシロウを受け入れられずにいるのかと切り込む。「そんなことはありません」とマリーは否定する。そして、ケンシロウのことを大切なファミリーだと思っていると断言する。その発言を訊いたケンシロウは胸を打たれる。記者も何か感じるものがあったらしく、ようやく主張を譲る。ただし「条件がある」と告げた。
第三十八話「とんだ条件」
 条件の内容をマリーが訊くと、他所の取材は受けないことだと記者は答える。たいした条件でないことにマリーは安堵するが、ケンシロウは記者が他にも条件があるというような言い方をしていたことを聞き逃していなかった。ケンシロウがそれが何であるか尋ねると、外出の時に変装することだと記者は答えた。そしてその理由は、素のままの姿では目立って、他の記者にスクープを奪われる恐れがあるからだと記者は答えた。ケンシロウは、その説明に合点したが、アルパカ星人に変装する方法がわからないと言った。マリーは整形手術を提案したが、ケンシロウは断固それを拒否した。しかしその言い方が悪く、二人は険悪なムードに。記者はその仲裁に入り、自分が張り込みの時に使っている変装グッツを貸すと言う。しかしそれは、加藤茶が「うちのおとうさん」に変装するときに使うようなものばかりで、それらを装着した時の姿を想像したケンシロウは抵抗感を覚える。そんなケンシロウに記者は、他人を和ませる変装だから怪しまれないで済むのだと利点を述べる。
第三十九話「豹変するマリー」
 「いくら人を和やかにさせるといっても、こんなカトちゃんみたいな変装で外を歩くなんて…」とケンシロウが抵抗感を示すと、記者はうまくおだててケンシロウに変装グッツを身につけさる。そのお世辞を真に受けたケンシロウをさらにその気にさせるために、記者はマリーに同意を求める。しかしマリーは生返事をかえすのみ。さらに、記者を見送って畑に向かって歩き始めても、なぜかケンシロウを避けるように無言で先を急ぐマリー。理由がわからぬ不安と、周囲の目を気にする羞恥心に耐えきれなくなったケンシロウは、マリーに駆けより、「どうしたんですか?」と訊く。
第四十話「豹変の理由」
 やっとのことでマリーに追いついたケンシロウは、彼女が急に態度を変えた理由を訊く。しかしマリーは答えず、さらに早歩きになる。失言に原因があったのかとケンシロウが問いを投げかけると、ようやくマリーはケンシロウの方を向き、それを否定する。しかし真相は話さず、また前に向き直ろうとする。そうはさせまいと、マリーの両肩をつかむケンシロウ。しかしマリーは、老婆とは思えない怪力で、ケンシロウの手をひねりあげる。ついに堪忍袋の緒が切れたケンシロウは、変装でかぶっていた帽子を地面にたたきつけ、踏みにじる。するとマリーは、ケンシロウに体当たりをして、その帽子を奪い取る。我が子をいとおしむように抱きしめるマリーを見て、「意味がわからない」とケンシロウは言う。そこでマリーは、変装をしたケンシロウがリーフの若い頃にそっくりで、昔を思い出してしまったと真相を語り始める。
第四十一話「永遠の愛」
 変装時の容姿が若いときのリーフに似ていたことでマリーの態度が変わったことを知ったケンシロウだったが、それでなぜ冷たい態度をとることになるのかまでは理解できなかった。ケンシロウがその理由を訊くと、マリーはリーフに悪いと思ったからだと答える。どうしてそんなふうに思うのかとケンシロウが尋ねると、昔が良かったと思うことは、今のリーフを否定することになるからだとマリーは答える。リーフに対するマリーの深い愛情を知ったケンシロウは、胸を打たれる。二人の純愛を汚さないために、ケンシロウはニット帽についた一本毛とサングラスについた眉、マスクについたチョビ髭を抜いて、変装をしてもリーフの若い頃を思い出させないようにする。
第四十二話「二人の関係」
 変装グッツを改良したことで、マリーにリーフの若い頃を思い出せないようにすることには成功したが、今度は若い男と不倫していると勘違いされることを恐れるマリー。ケンシロウはそんなことはありえないと思ったが、それなら「やっぱり並んで歩くのやめましょうか?」と提案する。マリーはちょっと思案したが、「それもいいかも」と同意する。そして、ケンシロウに自分の一歩後を歩くように求めてきた。ケンシロウがその意図を尋ねると、こうすれば、か弱い女性を守るボディガードの演出ができるという。ケンシロウはそれは無理があるとして、設定をかえるように求める。
第四十三話「変装の合意点」
 自信をもって提案したアイデアを却下されたマリーは、不服そうにその理由を尋ねる。しかしケンシロウは適当な解答が見つからず弱る。が、マリーの詰問に耐えられず逃げて見た光景から、素晴らしい解答を思いつく。まずケンシロウは、この平和そのものな住宅街にボディガードが必要となる理由がみつからないと、却下した理由を説明。それから、これから農作業に行くわけだから、農業実習生という設定にすれば無理がないのではと答えた。マリーもそれは名案だと喜び、二人の合意点がまとまる。が、喜びも束の間、ケンシロウは行く先に最も恐れる獣影を見てしまう。
第四十四話「恐怖の再会」
 ケンシロウが指さしたその先の住宅の陰から顔を突き出していたのは、彼が最も恐れるラマ観光の添乗員ギースであった。しかしギースもケンシロウと目が合うと動揺したらしく、大慌てで身を隠した。一瞬の出来事だったので、あれが本当にギースかどうか確信がもてないケンシロウ。しかし身の危険を感じ、恐怖に震えていると、どうしたのかとマリーが声をかけてきた。ギースにおびえる理由を話すわけにもいかないので、何でもないとケンシロウはとぼけてみせる。そしてマリーに動揺を悟られないように、空元気を出して歩き始めたが、心は正直でギースが現れた方角とは逆の方向に足が向いてしまう。すると、道も知らないくせに、勝手に進んではいけないとマリーに叱られ、軌道修正を余儀なくされる。
第四十五話「5分の観光」
 ケンシロウの不安を知らずに、ギースの現れた方向にズンズン近づいていくマリー。ケンシロウはその後を力なくついていく。その距離が離れていくことに気がついたマリーは、ケンシロウに渇を入れる。しかしケンシロウは、疲れたから一休みしたいと懇願する。マリーはまだいくらも歩いていないのにだらしがないと叱るが、疲労困憊の演技をしてみせるケンシロウにだまされて、それを受け入れる。ただし休憩時間は5分と念を押す。それだけあれば、時間稼ぎができると喜ぶケンシロウ。その猶予期間に、ケンシロウは目の前に広がるアルパカ星の統一感のとれた美しい街並みに目を奪われる。
第四十六話「ギースの脅し」
 5分の休憩時間が終わるやいなや、ケンシロウに出発を促すマリー。しかしケンシロウは、まだ一分ぐらいあるだの、舌打ちするだの、往生際が悪い。それに苛立ちを募らせたマリーは、指をボキボキと鳴らしてケンシロウを脅す。マリーを本気で怒らしたらマズいと思ったケンシロウは、急に体調が回復してきたので、出発を急ぎましょうと調子のいいことを言う。しかし、いざ出発する段になると、逆方向につま先を向けるなど行動を渋る。ついに、しびれを切らしたマリーは、ケンシロウの手を引っ張り歩かせるという強硬手段に出る。ケンシロウは観念してマリーの後についていくが、ギースが顔を出した角にマリーが差しかかったとき、どこからか一枚の紙が舞ってきて、マリーの顔を覆う。驚いたマリーはその紙をとり、それに書かれた文を読み上げる。すると、そこには恐ろしいギースの脅迫文が書かれてあった。
第四十七話「前線は御免」
 「約束を守らないと、殺すぞ」と書かれた脅迫文を読み上げたマリーは、悲鳴をあげてその紙を放り投げる。ケンシロウは、自分の顔に舞い落ちた脅迫文を払いのけながら、だからそっちに行かないほうがいいと言ったじゃないかと絶叫する。ケンシロウの予知能力に感心しながらも、その脅迫文が誰に向けて書かれたものなのかと問うマリー。ケンシロウはその脅迫文が自分宛てにギースから届いたものだと確信しつつも、真実を語る訳にはいかないので、マリーにむけて届いたものではないかと惚けてみせる。身に覚えのない脅迫文に震えあがるマリー。すがるような目でケンシロウを見て、ボディガードをしてくれと懇願する。ボディガードをしてもらいたいのはコッチの方だと思いつつも、マリーに尻を叩かれ、引き受けざるをえなくなるケンシロウ。と、その時、目の前に植木鉢が落下してきた。
第四十八話「二階から媚薬」
 もう一歩手前に出ていたら、植木鉢が脳天に命中し、絶命していたかもしれないと、神に感謝をして天を仰ぐケンシロウ。しかしその視線の先には、若くて美しいメスのアルパカ星人の姿が。ベランダから心配そうにケンシロウを見下ろし、「大丈夫でした?」と声をかけてきた。そのアルパカ星人に一目惚れしてしまうケンシロウ。全然大丈夫だと返事をすると、下に行くから待っていてと彼女は言う。マリーは狙われて植木鉢が落ちてきたわけではないことを知り安堵する。ケンシロウは、それよりいい出会いがあったことに喜んでいる。呆れるマリーはケンシロウに怪我がないか尋ねる。ケンシロウは大丈夫だと答えるが、マリーは植木鉢の破片が当たったケンシロウの右の脛の具合を見るために、ケンシロウのズボンの裾をめくりあげようとする。そうしていると、ケンシロウのマドンナが外に出てきて、改めて謝罪をする。そしてケンシロウの右の脛から血が滲んているのを見て心配する。ケンシロウはいいところを見せようと強がってみせる。マリーもこんなのツバでもつけとけば治ると自分のツバをつけようとする。ケンシロウはそれを拒絶すると、マドンナは「じゃ、自分が消毒しましょうか?」と言う。
第四十九話「語れない武勇伝」
 マリーに替わって美女から傷口の消毒をしてもらえることに歓喜するケンシロウ。しかし、その消毒方法はケンシロウが期待したものとは違い、消毒液を使ってするというありきたりのものだった。家に消毒液をとりに戻った美女を待つ間、マリーは美女をいいお嬢さんだと褒める。しかし、初めて見る顔だし、顔つきもアルパカ星人離れしていると言う。確かに、マリーと比べれば、美醜の点において天と地ほどの差があると、軽く受け流すケンシロウ。そうしていると、美女は消毒液と絆創膏をもって戻ってくる。処置が済むと、美女はケンシロウになぜ棒をもっているのかと訊く。ケンシロウは、マリーのボディガードをしているからだと答える。さらに世話になっているから、これくらい当然だと気取って言うと、美女は尊敬の眼差しでケンシロウを見る。でも、そんなことが必要になるくらい危険なことがあるのかと尋ねる美女。調子に乗ったケンシロウが武勇伝を語ろうとすると、マリーはケンシロウのお尻をつねって黙らせる。
第五十話「喜びの展開」
 マリーにお尻をつねられて、ボディガードをしている理由をあかすことを制止されたケンシロウは、「危険なことなんて、別にありません」と答える。それならボディガードをする理由などないのではと尋ねる美女。そこにマリーが割って入り、それはワタシが勝手に頼んだことなんだから、構わないでほしいときっぱり言う。それはそうだと謝罪し、しおれる美女。ケンシロウはたまらない気持ちになり弁護すると、美女は言葉だけの謝罪では気が済まないので、日を改めて、食事とか何かきちんと償わせてほしいと言う。そこで、その連絡をするために、電話番号を教えてほしいとケンシロウに言う。ケンシロウは有頂天になるが、この星で使える電話をもっていないことに気づく。ケンシロウが電話を持っていないことを告げると、ローズと自己紹介したその美女は、メモ帳に自分の電話番号を書いて、ケンシロウに渡す。
第五十一話「立ちはだかる巨大壁」
 ローズから電話番号を教えてもらい、浮かれて軽い足取りでマリーの前を歩くケンシロウ。その歩調についていけないマリーは、先に行くなと注意する。するとケンシロウは、楽しくって自然に身体が動いてしまうと答える。それはローズに惚れたからかとマリーに尋ねられると、ケンシロウは肯定する。しかしマリーは、ぬか喜びになりかねないからやめろと言う。その理由をケンシロウが訊くと、あんなかわいい子にパートナーがいないわけがないし、いなかったとしても異星人同士が結婚できるわけがないからだと答える。反論できない現実を突きつけられ、絶望するケンシロウにとどめを刺すように、マリーは高所を指さし、「アンタと彼女の間には、あれと同じくらい高い壁があるんだよ」と言う。マリーの指さすほうを見ると、そこには3、40メートルほどの高さの壁が立ちはだかっていたのだった。
第五十二話「巨大壁の用途」
 高さ3、40メートルほどの高さの巨大壁を見たケンシロウは度肝を抜かれる。この光景を見慣れたマリーは、ケンシロウが仰天している理由がわからない。ケンシロウが巨大な外壁で街を囲う理由を尋ねると、マリーは街を守るためだと言う。外壁の用途を訊いて、ケンシロウは漫画『進撃の巨人』を思い浮かべる。それは、その漫画でも、巨人から住民を守るために、街の周囲に巨大壁を築いていたからだ。この外壁も、同様の目的で築かれたのではないかと思うと、ケンシロウは恐怖に身を震わす。
第五十三話「巨大壁の向こう」
 ケンシロウはマリーに、巨人から街を守るために外壁が築かれているのかと尋ねる。マリーはそんなわけがないと一笑し、外壁は防災のためあると答える。水害や風害から街を守るために外壁があると説明されたケンシロウは、これほど高い外壁を必要とするということは、外壁の向こうは荒海がひろがっているんだなと予想する。しかしマリーはそれを否定し、外壁に取り付けられた扉を開ける。見ると、そこには広大が農園がひろがっていたのだった。
第五十四話「明かされた巨大壁の謎」
 海のように目の前に広がる農園に圧倒されるケンシロウだったが、これほど海が遠くに離れているのなら、こんなに高い外壁をつくる必要がないのではないかと思い、その疑問をマリーにぶつける。するとマリーは、外壁は防潮堤としてだけ造られたわけではないと答える。それから、外壁のガイドを始めるマリー。マリーによると、防潮堤として造られたのは外壁の下から5メートルほどの高さのゾーンまでで、その上は目の前の農園でとれた作物を貯蔵するゾーン、その上はスクールゾーン、その上は医療ゾーン、その上は宿泊ゾーン、その上は商業ゾーン、その上はモノレールゾーンになっているということだった。その説明を受け、ようやくケンシロウは、様々な施設が積み重なった結果、このような巨大壁になったのだと理解できたのだった。
第五十五話「外壁の効果」
 外壁の謎が解けると、ケンシロウは外壁が現実にどれほど役に立ったのか興味を覚え、その点についてマリーに尋ねる。マリーはもちろん何度も助けられたと答え、その事例として去年の台風の話を始める。その話によると、マリーが農園で働いていたとき、突然の豪雨に見舞われ、外壁の中に農作業をしていたみんなと逃げ込んだという。そして外壁のお陰で、みんな助かり、街も無事だったと話した。しかし、ケンシロウが農作物の被害状況について訊くと、顔色を曇らせ、「けっこう、やられたわ」と答える。それから「でも」と言い始めた。
第五十六話「脅威の復興力」
 昨年の台風による農作物の被害状況をケンシロウに訊かれたマリーは、「でも」と言ったまま声を詰まらす。「でも」の後の言葉をケンシロウが尋ねると、マリーは自分が育てた農作物はダメだったが、救われた農園もあったと答える。ケンシロウがその農園はどこかと訊くと、マリーはこの外壁の裏の農園だと答える。ケンシロウは、その農園が救われた理由を、外壁が強風をブロックしてくれる場所にあったからでないかと推理し、そうかと尋ねると、深い溜息をついて頷くマリー。聞けば、外壁もそういう効果も期待されて設計されたとだという。ケンシロウは、地球で農家をやっていて同じ立場に追い込まれ、高齢と資金不足のために農業を諦めざるをえなくなった親戚のことを思い出し同情する。しかしマリーはお金の面ではたいしたことがなかったと答え、ケンシロウは戸惑う。
第五十七話「『足るを知る』でハッピーに」
 全損と言えば一年の稼ぎを失ったということになるのに、どの農園も見事に復興していることに驚き、ケンシロウはその驚異的な復興の秘密をマリーに訊く。するとマリーは、「農作業って、稼ぐためにするものなのかい?」と聞き返してきた。価値観の違いに驚くケンシロウにマリーは、自分たちのつくった安全で新鮮な農作物を家族でおいしくたべるために農作業をやるのに勝るやりがいはないと述べる。でも、それで稼げれば、もっとやりがいが出るのではと反論するケンシロウ。しかしマリーは、そんなに欲張れば他のことを楽しむ時間がなくなってしまうし、利益の奪い合いが始まり、みんなから畑仕事の喜びを奪うことになると一蹴する。収入については、どの人にも最低限の生活が送れるくらいのものが支給されるし、他の稼ぎで少しの贅沢ができる分が稼げているので、「足るを知る」農業をすれば、ハッピーになれると言う。また、そういう農業が行われるように、市もそれぞれの家庭に見合った規模の農地しか貸してくれないと話した。
第五十八話「そよ風家のお荷物」
 そよ風家の家族数である6人分の収穫が見込めるという規模の農園を市から借りているという説明をマリーから受けたケンシロウだったが、その数に自分が入っていないことに気がつき、ショックを受ける。マリーは、今のうちは備蓄分があるからいいが、それが尽きたら買って調達するしかないと言う。しかしケンシロウには、アルパカ星人なら誰もが受けているというベーシック・インカムが支給されているわけではない。ケンシロウは、自分がそよ風家にとってお荷物でしかないことを思い知らされる。励ましの言葉をかけても落ち込むケンシロウに、マリーは「それなら、残る手はアレだけだわね」と言った。
第五十九話「残された道」
 そよ風家のお荷物だけにはなりたくないケンシロウは、「残る手」をマリーに訊く。しかし、頼りないケンシロウが頑張れるか信用できない様子のマリーは、回答を渋る。それでもケンシロウが懇願するので、それはアルパカ星人になることだと明かす。それを聞いたケンシロウは、どんなに整形してもアルパカ星人になるのは無理だと落胆する。しかし、マリーはそういうことを言っているのではないと笑い、アルパカ星人になる資格があると認定されることが、アルパカ星人になることだと説明する。しかしそのためには、様々な審査や試験にパスしなければならず、生半可な覚悟ではできないと言う。勉強嫌いのケンシロウは弱気になるが、マリーは認定証をとらなければ、結婚もできないわよと言う。すると、ケンシロウは愛しのローズの笑顔を思い出し、俄然やる気を出す。
第六十話「衝撃の出迎え」
 ケンシロウとマリーが畑仕事から帰ってくると、出迎えたそよ風は変装したケンシロウの姿を見て驚く。このような変装をする羽目になったいきさつはマリーが説明する。その事情を知ったそよ風は困惑する。マリーも、ケンシロウが地球人であるという特ダネをほしがるプレスという記者の依頼を受けたら、自分たちが有名人になって騒がれるのが困ると言う。しかしそよ風の心配は、それとは違うところにあった。その心配を話すために、そよ風はケンシロウを自室に呼ぶ。
第六十一話「弱った事態」
 のけ者にされたマリーは二人の後を追いかけてくるが、そよ風は普段は見せない厳しい姿勢で参加をことわる。マリーはそれを受け入れると、そよ風はケンシロウを自室に入れ、テーブルを挟んで対峙する。そして深い溜息をついてしばらく考えこむと、心のうちの懸念を明かした。それは、ケンシロウのことが記事になって世間を騒がすと、ギースの耳に入る恐れがあるというものだった。それを聞いて、ケンシロウは畑に行く途中、ギースと思われる男から脅迫文が送られてきたことを思い出す。そしてズボンのポケットから脅迫文を出して、それをそよ風に手渡す。それを読み上げたそよ風は、恐怖に声を震わせる。
第六十二話「どん底の二人」
 頭を抱えるそよ風に、ケンシロウは脅迫文が舞い降りてきたことを説明する。するとそよ風は、共犯者がいるのではないかと推理する。舞い降りてきたとなれば、高所からギースでない誰かが落とさないとできないからだ。しかしそよ風は、自分の立場を失うことを恐れる普通の勤め人であるギースが、墓場まで持って行きたい自分の秘密を明かしてまで協力してもらえる者を簡単にみつけられるだろうかと疑念をもつ。いずれにしても、四六時中ギースに監視されていることに間違いないないのだから、危険な目にあわないために、ケンシロウのことを記事にするのはなんとかやめてもらおうと言う。
第六十三話「暗闇のシルエット」
 ギースに四六時中、監視されていることを思うと寝つけないケンシロウ。まるでお化けの話を聞かされてトイレに行けない子どものように、ケンシロウはトイレを我慢していたが、ついに我慢の限界に達し、トイレに向かう。と、そこで、物音が…。目を凝らして物音のしたほうを見ると、暗闇に角のような耳の形をした者がいた。そのシルエットはギースに似ている。恐怖のあまり、ケンシロウは凍りつく。
第六十四話「ただならぬ気配」
 暗闇の中、突如として現れたギースらしきシルエットを目撃したケンシロウは、腰を抜かす。すると、その物音を聞きつけて、そよ風が現れる。何事があったのかとそよ風に尋ねられたケンシロウは、「ギ、ギース」と声をあげて、シルエットに震える人差し指を向ける。そのシルエットを見たそよ風も仰天し、「だ、誰ですか、アナタは」と問いかける。しかし、向こうも戸惑っている様子で返事がない。その時であった。トイレの中から、ドアをたたく音がした。
第六十五話「シルエットの正体」
 トイレの中からのノック音にケンシロウがおののいていると、トイレの内側から聞き覚えのある声が響いてきた。その声に応え、ギースらしきシルエットの獣はトイレのドアを開けると、トイレからでてきた獣を車椅子に載せた。その様子を見たそよ風は、「お父さん?」と言って、照明をつける。すると、リースと見知らぬ獣が露わになった。ギースでなかったことに安堵するケンシロウ。しかし、そよ風じゃ、ラマ星人が介助ボランティアをやっていることに不審を抱く。
第六十六話「憧れの認定証」
 恐れていたギースではなかったラマ星人は、そよ風に、なぜラマ星人が介護ボランティアをやっているのかと問われると、最近近所に引っ越してきたからだと答え、アルパカ星に住むことが認定される証明書をみせる。誤解が解けたことで、そよ風は非礼をわびる。一方、ケンシロウは、物欲しげに認定証を掲げるラマ星人に近寄る。ケンシロウが認定証を欲しがる理由は、それを得られれば、自分がそよ風家のお荷物でなくなり、また愛しのローズと結婚できる可能性が高まるからだ。得体の知れぬ生物に驚くラマ星人は、ケンシロウが何者なのかと尋ねる。するとリーフは、ケンシロウが地球人であるという秘密をばらしてしまう。それを知ったラマ星人は、ケンシロウを興味深げに凝視し、「それで、これに関心をもったんですね」と言って、ケンシロウに認定証を手渡す。それを手にしたケンシロウの目は、金塊を見るように輝く。
第六十七話「お互い様の介護システム」
 そよ風は、ブラウンに「では、これからはA16ブロックの住人としてローテーションに入り、時々父の介護ブランティアに来てくれるということですね」と訊く。ブラウンは、そうだと答える。そこでようやくケンシロウは認定証から顔をあげると、A16ブロックのローテーションとは何かと質問する。そよ風は、アルパカ星では、要介護者をもつ家族の負担を減らすために、近所の住人がローテーションを組んで、介護の手伝いするシステムがあり、それを機能させるために、地域が区画されていると説明する。そして、A16ブロックというのは、それで区画された、我々の住むこの近隣区域のことだと答える。また、自分も介護ボランティアをやっていたことがあり、それが父親の介護の役立ったと語った。こうしてプロの力をできるだけ借りずにすむ互助システムを構築することで、家庭と国家の負担が軽減できるという利点も述べた。ケンシロウがアルパカ星の介護システムの素晴らしさに感銘を受けていると、リーフが「だから、おぬしもボランティアでやるんじゃ、ワシの介護を」と口端を挟む。それでケンシロウの感動は一気に冷めてしまう。
第六十八話「深まる不信感」
 介護ボランティアのローテーションに入っていることを不満に受け取るケンシロウに、ブラウンはそれも認定証を得るためのいい実績になると言う。それを知ったケンシロウの瞳が喜びの色にかわると、ブラウンはそれが評価されるのは、ケンシロウが昨日の午後、農作業に励んだのと同じようなものだと付けくわえる。するとそよ風は、なぜケンシロウが農作業に行ったことを知っているのかとブラウンに問う。その追及にブラウンは動揺した様子で、ふと何かを思いついたように、ケンシロウの手の爪の間に泥がたまっていたから、農作業にいったのだろうと推測したと答える。それでもそよ風の追及は止まらず、爪の間が泥で汚れていても農作業でそうなったとは限らないのに、なぜ、はじめからそう決めつけたようなこと言ったのかと問う。
第六十九話「まさかの血縁」
 そよ風から鋭い質問を投げかけられたブラウンは二の句が継げなかったが、そよ風に追及され、観念して真実を語った。それはブラウンの娘が、そよ風の母とケンシロウが畑仕事にいくのを目撃したと聞いたからだそうだ。ブラウンの娘の名は、ローズという。その名を聞いて驚いたケンシロウは、「ローズって、まさか…」と尋ねる。すると、ブラウンは「ええ」と頷き、「あなたが昨日、農作業にいく途中で会った、あの娘です」と答える。ならば、はじめからそう言えばいいではないかと、そよ風が言うと、ブラウンは、娘に黙っていてくれと頼まれたからウソをついたと答える。
第七十話「待望の春」
 なぜ娘さんに黙っているように言われたのか、そよ風はブラウンに訊く。するとブラウンは、娘にケンシロウの素顔を見てきてほしいと頼まれたと明かす。ケンシロウのことでギースから脅しを受けているそよ風は、ローズがケンシロウを不審者だと思ったのではないかとハラハラしながら、彼女がケンシロウに関心をもった理由を尋ねる。ブラウンは、ローズがケンシロウに好意を抱いたからだと答える。それを聞いたケンシロウは歓喜する。ブラウンが同じ異星人としてケンシロウに親近感をもったようだと言うと、ケンシロウはあんなに完璧な変装をしたのに、よく異星人であると見抜いたと感心する。しかしブラウンは、あの変装だけはありえないとローズが言っていたと嘲笑する。
第七十一話「老夫婦の危機」
 ローズがケンシロウの変装姿だけはいただけないと言っていたという話を聞くと、そよ風は同意する。ショックを受けたケンシロウは、カトちゃんのハゲヅラのようだった変装具を、少しはマシにするように加工したことを語る。そよ風に、そんな格好でよく街を歩けたものだと呆れられると、ケンシロウは自分だってあんな格好で歩くのは嫌だったし、マリーだって一緒に歩くのを嫌がっていたと語る。そして、マリーが一緒に歩くのを嫌がっていた理由は、変装がおかしかったからではなく、その容貌がリーフの若い頃に似ていたからだと説明する。すると、リーフは聞き捨てならないといった感じで口を挟む。そして、一緒に歩くのを嫌がった理由によっては、マリーとの離婚も考えると癇癪をおこす。その騒ぎで目を覚ましたのか、マリーが寝室から顔を出した。
第七十二話「深まる夫婦愛」
 何事があったのかとマリーが尋ねると、リーフは「オマエはワシと一緒に歩きたくないと言ったそうだが、それはどういうことか」と問い詰める。マリーはそんなことを言っていないと否定すると、その矛先は、その話をしたケンシロウに向けられる。その剣幕におされたケンシロウは、昨日、農作業に行く途中、プレスという記者に出会い、自分が地球人であるという特ダネを奪われないように、彼から変装を求められ、その姿が若い頃のリーフに似ていたため、一緒に歩きたくないとマリーが言ったことを説明する。それで合点がいったマリーは、そう言ったことを認め、その理由は、リーフを愛する気持ちは変わらないのに、若いころのリーフが良かったと思ってしまったことに申し訳なくなってしまい、そのような行動に出たと説明する。その話を聞いて、リーフもマリーを愛する気持ちに変わりはないと語る。二人のイチャつく様子を見ていたブラウンは、羨ましがり、自分のせいで亡くなった妻のことを思い出してしまったと言う。
第七十三話「妻の思い出」 
 ブラウンは、そよ風から、妻がなくなったという理由を尋ねられると、それは自分が事業に失敗すたからだと答える。ブラウンはラマ星で、着ぐるみを製造する会社を経営していた。しかし事業に失敗して、体の弱い妻にひどい苦労をさせる。それが原因で妻の寿命が縮まったので、自責の念に駆られているという。それを知ったそよ風はどのような言葉をかけてやったらいいのかわからなくなる。そのかわりマリーが、「でも、奥さんは幸せだったんじゃないのかしら。アナタのような方と結婚できて。ホラ、優しそうだし、何よりイケメンだもの」と慰める。リーフもそれに同意し、「お主はなかなかイケメンじゃ。まぁ、ワシには劣るがのう」とボケを入れる。それで気分が明るくなったブラウンは、アルパカ星はギスギスしていなくってとてもいい星だと褒める。そよ風がアルパカ星人を代表して礼を述べると、それに比べてラマ星は、競争社会で住みづらかったと振り返る。それを聞いたケンシロウは、ラマ星は地球と似ていると思う。同時に、知らないうちにアルパカ星の暮らしに馴染んでいることに気がつく。すると唐突に、そよ風は「ブラウンさんに、ひとつお願いしたいことがあるんです」と言った。
第七十四話「そよ風のアイデア」
 ブラウンが依頼内容をそよ風に尋ねると、ケンシロウの着ぐるみをつくってほしいと答える。その理由は、リーフというアルパカ市民新聞の記者から借りた変装道具では、とてもアルパカ星人には見えず、外にでることができないからだという。ブラウンは納得し、了解の意思を示すと、そよ風はもうひとつお願いしたいことがあると言う。今度の依頼は、地球人がそよ風家にいることを内緒にしてもらいたいということだった。そのわけは、プレスというアルパカ市民新聞の記者がケンシロウを特ダネ記事に扱いたいと申し入れているからだと打ち明ける。そして内情は言えないが、そうなると困った事態になると伝える。ブラウンはしばらく思案したが、快く引き受けてくれた。そして着ぐるみのデザインについて検討の話をすると、リーフは自分の若い頃に似せればいいと言う。しかしケンシロウは、「それだけはやめてくれ!」と即刻却下する。
第七十五話「記憶にない依頼」
 リーフのボランティア介護で来たブラウンが帰った翌朝の朝食時、そよ風はケンシロウの今後のことについて家族会議を開くことにした。しかし昨晩の出来事のことを知らぬミントやアルトは、忙しい朝の時間を使って家族会議をはじめるそよ風に迷惑そうな態度をとる。昨晩、現場にいたリーフすら、事情を飲み込めないような態度を示す。そよ風が、ブラウンにケンシロウの着ぐるみをつくってもらうことになったという話をしても、リーフはそんなことあったのかと首をひねる。そよ風が呆れていると、「あったのよ。お爺さん」とマリーが弁護に入る。リーフは、それでも信じられないといった感じで、ケンシロウに事実確認をする。すると、ケンシロウは呆れて物が言えないといった感じで肯定し、「危うく、アナタのヤンキー時代の着ぐるみの発注されそうになりました」と答える。
第七十六話「招かざるベル」
 リーフは、自分のヤンキー時代の着ぐるみが発注されそうになったと訊くと、「おぬしもそれを着れば、女子にモテモテになるぞ」と言う。「なわけねーだろ!」ケンシロウはツッコミを入れると、そよ風は、貴重な朝食の時間を、そんな内輪揉めで潰したくないと仲裁に入る。そして、アルパカ市民新聞の記者がケンシロウのことを特ダネ記事に扱いたいという依頼に対しての解決策を話すために家族会議を開いたと言う。勘のいいアルトは、それでブラウンにアルパカ星人そっくりの着ぐるみを作ってもらって、窮地を乗り切ろうと考えているのかと訊く。そよ風は肯定し、その着ぐるみをケンシロウに着てもらうことで、ケンシロウはもう地球に帰還したという話にしたいと語る。しかし、昨夜の現場に居合わせたマリーは、「着ぐるみの完成には、一ヶ月くらいかかるといっていたじゃない。そこまでプレスという記者をだませるかしら」と心配する。その時だった。食堂に置かれた固定電話のベルが鳴った。その固定電話のいちばん近くに座っていたマリーが受話器をとると、相手はプレスだった。
第七十七話「困った電話」
 プレスからの電話で家族に動揺が広がると、そよ風は一家の主として自分が対応すると言い、マリーから受話器を受け取る。しかしそれを聞いたリーフは、家の主は自分であると憤慨する。リーフがいると集中できないので、そよ風はマリーに頼んでリーフを別室に連れ出してもらう。食堂に静寂が戻ると、残った家族はそよ風の電話応対に聞き耳を立てる。すると、ケンシロウはもう地球に帰ってしまったので取材を受けられないと、そよ風が言っているのに、プレスは信用していない様子だ。しかも、それを確かめに来ると言う。ミントが困った表情をアルトに向けると、アルトは学校に行く時間だからといって逃げる。ケンシロウは心細い思いで、アルトを見送る。
第七十八話「頼りない味方」
 「逃げないでくださいよぉ」ケンシロウは、大慌てで食堂を出て行くアルトの背中に情けない声を投げると、青空が「大丈夫だよ、ケンシロウ。ボクがついているから」と言う。しかしミントは、青空が幼稚園をずる休みしたいからそんなことを言っていると見抜き、早く朝食を済まして幼稚園に行くように促す。それでも青空が駄々をこねると、これからそよ風が電話で話していたおじさんがケンシロウを食べにやってくると言って脅かす。これにはさすがに青空は怯えて、母親の命令に従う。その様子を見ていたそよ風は受話器を置くと、「でも、本当に弱ったなぁ…」と途方に暮れる。
第七十九話「逃げ場のないケンシロウ」
「でも、すぐに記者さんくるんでしょ。とにかく、ケンシロウさんをどこかに隠さなければ」とミントは急かす。しかしそよ風は、ケンシロウを隠す場所に迷う。寝室の押入れのなかがいいんじゃないかと、ケンシロウが提案すると、青空に「そんなのダメだよ。だって、かくれんぼした時、誰だって押入れの中を真っ先に探すよ」と小馬鹿にされる。ミントは、いくらなんでも家宅捜査なんて失礼な真似をしないだろうと言うが、そよ風は執念深い新聞記者は特ダネのためなら何だってすると気を緩めない。また、家族のそれぞれに取材して回る可能性もあると言い、失言する可能性がある青空とリーフのことを心配する。さらに、今回はうまく逃げられたとしても、貼りつかれる可能性があることも不安材料にあげる。着ぐるみさえ早くできればとケンシロウが言うと、そよ風は何かをひらめいたように明るい表情を浮かべ、「あっ、そうだ」と大きな声をあげる。
第八十話「妄想に酔うケンシロウ」
 何にひらめいたのかとケンシロウが訊くと、そよ風は着ぐるみができるまで、ブラウンの家に匿ってもらうという案を話す。それにはミントも賛同したが、「でも、ブラウンさん引き受けてくれるかしら。たとえ、ブラウンさんが承知してくれても、ご家族に反対されたら」と心配する。ブラウンは妻をなくして、娘と二人暮らしであると言っていた。そよ風は、ブラウンの娘がケンシロウに好意を抱いていたことを思い出し、ブラウンさえ承知してくれればうまくいくと楽観的なことを言う。それを聞いたケンシロウは、愛しのローズと一つ屋根の下で暮らし、愛を育めるかもしれないと妄想する。そよ風は、さっそくブラウンに了解をとるために電話をかける。
第八十一話「訪問者はどっち」
 そよ風は、プレスが来る前にブラウンにケンシロウを匿ってもらおうと大急ぎでブラウンに電話をかける。ケンシロウが祈るような気持ちで吉報を待っていると、結果はOKだとのこと。そよ風によると、ブラウンは今すぐ仮の着ぐるみをもって駆けつけるそうだ。仮の着ぐるみを用意する理由をケンシロウが尋ねると、そよ風はプレスから借りた変装グッズをつけて、ブラウンさんの家に行くわけにはいかないからだと答える。「そりゃそうだ」と納得するケンシロウ。あの格好でブラウンの家に向かう途中、プレスに見つかれば、自分が地球に帰ったというウソはバレてしまうし、愛しのローズに笑われたあの格好で再会したくない。そよ風が時計とにらめっとしながら、ブラウンの到着を待つこと10分後、玄関のチャイムが鳴る。喜び勇んでケンシロウが出ようとするとそよ風に引き止められる。「なにするんだよ」とケンシロウが怒ると、「プレスさんかもしれないでしょ」と、そよ風に諭される。青ざめるケンシロウに、そよ風は「ボクが確かめてきますので、ケンシロウさんは隠れていて下さい」と言って、台所の床の収納スペースに隠れるように促す。ケンシロウはその指示に従い、その中に身を隠す。
第八十二話「地下の恐怖」
 そよ風は、ケンシロウが地下収納庫にすっかり収まったのを確認すると、呼びに来るまで外にでるなと指示する。閉所恐怖症のケンシロウは、恐怖に耐えながらそこに身を潜める。すると、1分もたたないうちに、ケンシロウの頭の上をバタバタ踏み鳴らす音がする。何だと震えていると、「やめなさい」というミントの声が聞こえてくる。すると、今度は青空の声。「ケンシロウ、幼稚園行ってくるからね」なんだ、脅かしやがって…。ケンシロウは、返事の代わりに床を拳で三回思い切り叩く。そうすると、ノック音が三回返ってきた。それから急に床があいて、「急いで、ここから出て下さい!」と、そよ風がケンシロウを引き上げた。
第八十三話「絶句の着ぐるみ」
 プレスがきたのかとケンシロウが尋ねると、そよ風はブラウンが着ぐるみをもって来たと答える。そして、プレスが来ないうちに、その着ぐるみに着替えるように急かす。ケンシロウが地下収納庫から這いあがり、そよ風の後を追って食堂に向かうと、ブラウンが待っていた。そこでもそよ風に急かされて着ぐるみに着替える。すると、それを見たそよ風は吹き出す。どうしたのかと思い、姿見に着ぐるみ姿を映してみると、あまりのひどさにケンシロウは絶句する。ブラウンは、余興用の着ぐるみしかなかったと謝る。
第八十四話「笑いも冷える訪問」
 そよ風はケンシロウの着ぐるみ姿の滑稽さに吹き出しながらも、ブラウンの家に行くように急かす。ケンシロウはそれに応じるが、「ただし、笑うな」と注意する。しかしそよ風の笑いは止まらない。ケンシロウは再三の注意をしながら、玄関へと向かう。ケンシロウが膨れっ面をして外にでると、その顔を見てブラウンまでもが吹き出す。「あ〜あ、嫌だなぁ。こんな格好で外歩くなんて」とケンシロウが言いかけた時だった。ブラウンが人差し指を立てて黙るようにジェスチャーをした。何事が起きたのかとケンシロウが前に顔を向けると、遠くにアルパカ市民新聞の記者プレスの姿が見えた。
第八十五話「逃げきれるか」
 向こうに見えるのがプレスだとわかると、ケンシロウは冷や汗を流す。すると、ブラウンは「ワタシが何とかしますので、ケンシロウさんはしゃべらないでください」と言う。ケンシロウがそれに従うと、ブラウンはプレスに向かって、散歩をしているかのような軽い足取りで歩き始める。そしてプレスとすれ違う時、散歩をしている人がするような軽い会釈をする。プレスも会釈を返すが、ケンシロウの顔をちらりと見ると、「ちと、待った!」と大きな声をあげる。ブラウンはケンシロウを隠すように前に立つと、どうしたのかと訊く。すると、プレスは着ぐるみをきたケンシロウを見て、「いい顔をしていますねぇ」と言う。そして取材依頼をした。
第八十六話「鉄壁の取材拒否」
 取材依頼に動揺して声をあげるケンシロウに注意を促すブラウン。ブラウンは毅然とした態度をとり、プレスの取材依頼を断る。しかし記者魂をみせ、食い下がるプレス。ブラウンは、それよりもそよ風家に何か重要な用事があるのではないかと気づかせ、難を逃れようとする。
第八十七話「逃げる二匹」
 ブラウンのお陰で大事な用事を思い出したプレスは、関心がそよ風家に向かう。その隙にブラウンとケンシロウは逃げる。ケンシロウはブラウン家の前に立つと、ローズにこの不格好な着ぐるみ姿を見られたくないと思い、そこでそれを脱ごうとする。しかしブラウンは、ここで脱いだらマズイとそれを制止する。そしてこの着ぐるみを見つけたのはローズなので、その心配はないと言う。
第八十八話「留守宅の不審者」
 一刻も早くケンシロウを家のなかに入れたいブラウンは、玄関のドアを開けようとするが、鍵かかかっている。ローズにはケンシロウが来るから留守にしないように伝えてあるのにどうしたのかと言いながら、ブラウンは鍵の隠し場所から鍵を取り出し、ドアをあける。すると、玄関の隣の部屋から物音がする。二人がその部屋に向かうと、怪しげな獣の後ろ姿が目に飛び込んできた。
第八十九話「ローズを語る不審者」
 ブラウンが不審者に何者だと問うと、不審者は振り返る。不審者はメスのラマ星人で、不審者というにはあまりに間抜けた顔だった。驚いたことに、不審者はブラウンに「お父さん」と言う。ブラウンは身に覚えがないと言うと、不審者は自分はブラウンの娘のローズだと答える。ローズには似ても似つかないブサイクな容姿の不審者に、ブラウンだけでなくケンシロウもそんなはずはないと否定する。すると驚いたことに不審者は、ケンシロウの名前を呼ぶ。そよ風家とブラウン家、そしてケンシロウを監視しているギース以外、ケンシロウの名を知っている者がおらず、しかも着ぐるみを着て、素顔を隠しているのに、どうして身元がバレたのかとケンシロウが驚愕していると、「だからワタシがローズだといっているでしょ」と言って、不審者は後頭部に両手を回した。
第九十話「不審者の正体」
 不審者は後頭部に両手を回すと、着ぐるみを脱ぎ出す。ケンシロウは呆然と成り行きを見つめていると、中から出てきたのはローズだった。ブラウンがローズに着ぐるみを着ている理由を訊くと、サプライズな再会をしたかったからだと言う。それともうひとつの理由があるのだと続けた。
第九十一話「究極の選択」
 ブラウンが着ぐるみを着ていた理由を尋ねると、ローズはケンシロウに渡した着ぐるみよりもマシなのをさがしていたらこれが見つかって、それを試着していたとき、二人が帰ってきたからだと答える。その理由を聞いてブラウンは納得したが、それをケンシロウが着るのは抵抗感があるのではないかと疑問を投げかける。ケンシロウもそれを着て、おネエのように振る舞ったときの自分の姿を想像するとおぞましく思える。そんなケンシロウに、ブラウンは選択を迫る。
第九十二話「僅差の選択」
 選択に迷うケンシロウを見てローズが自分が使ったのでは嫌なのかと言うと、ケンシロウは愛しのローズの着た着ぐるみを着られる魅力に気がつき、ローズの提案に従うことにする。ブラウンも、ギリギリ「変顔」に入らないその着ぐるみならばプレスからの取材攻撃もかわせるだろうと考えるようになる。しかしその着ぐるみを着たケンシロウとブラウン家の関係性をどうしたらいいかと新たな問題点をあげる。
第九十三話「トモダチ志願」
 ローズは意気消沈しているケンシロウを見て、その着ぐるみを着たケンシロウとトモダチに見られたくないと言ったのは冗談だと言う。信用しきれない表情を浮かべているケンシロウに、その着ぐるみにはラマ星での青春の思い出がつまっているし、この星にはまだトモダチがいないから、むしろトモダチになってほしいとローズは願い出る。ケンシロウは喜んで応じ、これでブラウン家に遊びにきているローズのトモダチという関係性に落ち着く。
第九十四話「待望のとき」
 ブラウンが仕事にでかけ、ついにケンシロウに待ちに待ったローズとツーショットになれるチャンスが訪れた。しかしケンシロウは緊張で何も話せない。やっとの思いで、ローズは仕事にいかないのかと尋ねる。ローズは、ケンシロウと同じでアルパカ星で働ける資格をもっていないからいかないと答える。そしてケンシロウをじっと見つめて、「こうしていると、なんか新婚夫婦みたいね」と言う。動揺したケンシロウは、太ももの上にランチ後のハーブティーをこぼしてしまう。
第九十五話「天国から失言」
 ケンシロウが太もものうえにこぼしたハーブティーを、ローズはタオルで拭いてくれる。ケンシロウは夢見心地になり、ローズにケンシロウがアルパカ星に来た理由を訊かれ、うっかり「連れ去られてきた」と口をすべらせてしまう。ローズは驚いて、誰に何で連れ去られたのか質問攻めにする。極秘事項をバラしたらラマ観光添乗員のギースに殺されるので、ケンシロウは答えに困ってシドロモドロになる。
第九十六話「守ってあげたい」
 質問に困るケンシロウをみて、ローズは言えない事情を察して詮索をやめる。安堵したケンシロウは、逆にローズに同じ質問を投げかける。すると、ローズはお金を稼ぐためなら他の犠牲も厭わないラマ星の競争社会に疑問を感じたからだと答える。その話を聞いてケンシロウは、ブラウンがラマ星で事業に失敗し、そのせいで妻を亡くしたと語っていたことを思い出す。ローズの指す競争社会の犠牲者とは、ローズの母親のことであるに違いない。ローズはそれを肯定し、涙をながす。ケンシロウはこんなことを質問しなければよかったと後悔し、ローズがアルパカ星で幸せになるためには、自分はなんでもしようと思う。
第九十七話「監視の目」
 ローズを守ってやりたいと思ったケンシロウはローズを抱きしめたい衝動に駆られ、ローズの背中にむかって歩き始める。しかしテーブルの足に足の小指を打ちつけ、あえなく失敗。ケンシロウは、外の景色を見るために席を立ったとごまかす。しかし窓の外をみると、向かいの家の屋根の上から双眼鏡でこちらを見るギースらしき獣の姿があった。ケンシロウは仰天して声をあげる。ローズは何があったのか尋ねてきたが、ギースのことを説明するわけにはいかないので、ケンシロウは何でもないと答える。そしてローズに危険が及ばないようにするためにも、ギースとの約束は絶対に守らなければならないと強く思った。
第九十八話「去るか守るか」
 ケンシロウはギースからローズを守るための最善策を考える。最終的に絞られたのは、ローズに災難がふりかからないようにローズのもとを去るか、ギースから命をはってローズを守るかのふたつの策だった。ケンシロウは散々迷った末、後者を選ぶ。その理由は、ギースから逃げてばかりいては永遠に自由になれないし、ローズとも一緒になれないと思ったからだ。武術を学んだこともないケンシロウは喧嘩に自信はなかったが、考えてみればギースも普通の勤め人である。そう思うと、ケンシロウに勇気が湧いてきた。しかし心配なのは、ギースが飛び道具を使う可能性があることである。そうなるとケンシロウに勝ち目はない。その対応策に悩んでいると、ケンシロウはある名案を思いつく。
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アルパカとバラとスプリング、つまり春(おまえはルー大柴か)を愛するナイスミドル?なサラリーマンです。でも同僚には、そんな趣味、ばらしません。キモイっていわれますから。残念!(古っ!)

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