ラジ・ウォーの愛機

ラジ・ウォー、つまりラジオを聴きながらウォーキングをするときにボクが使っている愛機は、オリンパス製のボイスレコーダーです。

ボイスレコーダー

二年くらい前に、近所(といっても、2キロばかり離れたとこにあるのですが)の家電量販店で購入したものです。

値段は、確か一万をちょっと超えたぐらい(ま、お手頃なものですね。色はブルーを選びましたが、とくにこだわったわけではありません)。

それ以前は、ソニーのウォークマンを愛用していました。

これも、軽い・小さい・音質が良い、と三拍子そろったスグレモノでしたが、ただ一つ物足りない点がありました。

それは、ボイスレコーダー機能が搭載されていない点です。

何を隠そう(隠しても意味がないか)、ボクは病的なくらいのメモ魔で、思い浮かんだアイデア(たいしたものではないのですが)を記録せずにはいられないという困った癖(性癖ではありません)をもっています。

そういう点において、そのウォークマンにはボイス機能がないので、ウォーキングの途中に思い浮かんだアイデアは紙に書き留めるしかありませんでした。

そのためにポケットに小さなペンとメモ用紙を忍ばせてウォーキングに出かけるのですが、これが邪魔で仕方ありません。

それに道ばたで唐突にペンを取り出し何やら紙に書き留める姿は、端から見るとなにやら怪しげな調査をしている人物のように見られかねません。

かといって、人気のない場所を選びコソコソしている姿も、また実に怪しげで不審者に間違えられる可能性大です。

それが嫌でアイデアが逃げないように頭のなかで繰り返し唱えるのですが、そうするとラジオに集中できず、ラジ・ウォーを楽しむどころではなくなってしまいます。

こうした悩みを解決すべく、FMラジオ付きのボイスレコーダーの購入に踏み切ったのでした。

そんならスマホだって使えるじゃないかというご意見もあるかもしれませんが、スマホはあまりラジ・ウォーに向いているようには思われません(スマホをまだ所有してないガラケー人間がほざいている偏見かもしれませんが)

その論拠を羅列しますと、

①大きくてポケットがパンパンになる

②万が一、落下して壊れればダメージが大きい

③多機能すぎて、ラジオの選択を迷わす誘惑が多い

となります。

それにくらべてボイスレコーダーの潔さ。

なんせ、FMラジオとボイスレコーダーのみだから、選択のしようがありません。

また、小さく軽くウォーキングの邪魔になりません。

さらには、ちゃっかり、いやうっかり、落下して壊したとしても、まあ仕方がないかと笑って済ませられる魅力があります。どうです、奥さん(ジャパネット高田ばりの口舌)。

ただ唯一の欠点があるとすれば、イヤホンのコードが邪魔でよく手にひっかかることぐらい。

といいつつ、家電量販店に行っては、GALAXY S4 が欲しいなと思ってしまう、新しもの好きのオヤジでした。



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くだらないジンクス

誰だってあるんだろ 苦手なものが

と、俳優の火野正平さんがNHKBSプレミアムでやっている『にっぽん縦断 こころ旅』で唄っていましたが、ボクにも苦手なものというか、ジンクスがあります。

それは非常にくだらないもので、あるクルマを見ると不吉な予感に襲われるというものです。

で、そのクルマというのは、某国産大手自動車メーカーの販売する黒のSUV(車名を明かすことは、そのクルマを乗っている人が気分を悪くしますので、避けます)です。

「ヤホー」で検索してみますと、そのクルマは13年前に販売を開始しましたが、今から6年ほど前に販売終了したということです。
後継車が出ていないところをみると、あまり売れていなかったようですね。

にもかかわらず、週一回ぐらいの間隔で出くわすのです。
それもなぜか、不吉な黒が多い。

ラジ・ウォーのときなど、そいつに出会うと、まるで黒猫が横切るのを目撃してしまったときのような衝撃を受けます。

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それからじわじわと腹が立ってきて、「ハイブリッド流行りのこのご時世に、いつまでそんなガス食いの反社会的なクソグルマに乗っているんだ! この悪魔め」と胸のなかで毒づき、衝動を抑えきれず睨みつけてしまうのです(マナーの悪い運転をしているわけでもないのに、何でそんなに睨まれなければならないのか、そのクルマのオーナーにしたら皆目見当がつかないでしょうね)。

それと反対に、出くわすとラッキーと喜んでしまうクルマもあります。

それは、黒以外のそのSUV(なんじゃ、それ)。

ちなみに、ラッキー・ランキングのベスト5をあげますと、

1位ゴールド(めったにない。ダイヤモンド級)
2位ホワイト(ブラックの次に多い。黒に負けるなよ!)
3位シルバー(3番目に多い、そんなことだから、地味だって言われるんだ!)
4位ブルー(他部署の課長が乗っている。現実的にはこっちのほうが不吉か)
5位ライトブラック(まぎらわしんだよ。でも、それと違うとわかったときの歓喜といったら、地獄で仏にあったよう!)

となっております、黒柳さ~ん!(マッチ風に叫ぶ)。

どうして、ボクがそんなにその黒のSUVを嫌うようになったのか、不思議に思われるかもしれません。

おかしな話ですが、はじめはその黒のSUVが、ボクのラッキー・カーだったのです。

そもそも、その車をボクは嫌いじゃありませんでした。ていうか、欲しかったです(おっと、衝撃の告白)。

「で、なんで嫌悪するようになったの?」(ラジオ人生相談風に)

「はい。偶然、通勤途上のあるアパートの駐車場に黒のそのSUVがあるのを発見して、毎日それをチラ見するのを楽しみにするようになったのがきっかけです。

それで、チラ見が習慣化しますと、それを見ないと落ち着かなくなり(毎日励行している神棚へのお祈りをしないと不安になるようなものかね)、うっかり見忘れたときは、わざわざ戻って見るほどの存在になりました(ほとんど病気だね)」

「で、なんでそれが逆転したわけ?」

「はっきり覚えていませんが、たぶん会社でイヤなことが続いたときからだと思います。

いったん、ジンクスが崩れますと、こんどはそれを見ると、不吉なことが起きると思い込むようになり、そのアパートの前を通るときは顔をそむけるようになりました。

現在、そのアパートにはそのクルマはありませんが、いまでもそっちを見ないようにして通勤しています」しくしく…。

とまあ、こんな具合です。

なんて馬鹿馬鹿しいジンクスにしばられているんだろうと思いますが、なかなか意識を変えられません(眠れないとき、そのことを意識しないようにしようとすればするほど意識してしまうようなものに似てますね)。

みなさんにも、似たような馬鹿馬鹿しいジンクスってあります?



第十三話 高まる閉塞感

「クヨクヨしないほうがいいですよ。なるようにしかなりませんから」

途方に暮れた表情でベッドの上でうなだれている青年を見守りながら、アルパカ星人はそう励ましました。

「なるようにしかならないだと」青年はアルパカ星人をキッとにらんで毒づきました。「チッ、他人事だからそんなこと言えるんだよ」

「まあまあ、住めば都って言うじゃないですか」

ケッ そんなこと、オマエの星でも言うんかい! いちいち悪意にとる青年でした。

「あっ、そうそう」険悪な雰囲気を和らげるような明るい口調でアルパカ星人は話題をかえました。「おなか空いてませんか? 朝食を用意してありますんで、よろしかったら一緒に食べましょう」

「そんな気分になれない」青年はベッドに横たわるとアルパカ星人にくるりと背を向けました。

「そうですか。じゃ、気分がよくなったら、下へ降りてきてください。朝食、食卓の上に置いときますんで」

アルパカ星人は残念そうに言うと、静かにドアを閉め、部屋から出て行きました。

一人部屋に残されると、青年の不安感はますます高まってきました。

あの事件のことを極秘にするってことは、オレの存在を他のアルパカ星人に知られてはいけないってことか?
もしそうだとすると、オレは死ぬまで一歩もこの家から出られなくなるのか…。
それじゃ、まるで監獄じゃないか! イヤだ、そんなの!

青年は髪の毛をかきむしりましたが、監獄の外も地獄であることに気がつきました。

でも、外へ出られたとしても、いきなり異星人が現れたら、みんなびっくりするだろうな。

それにヤツもオレのことをみんなにどう説明するんだろう? 
いや、これは難題だぞ…。

青年は頭を抱えました。
しかし、いくら考えても名案が浮かばないので、解決のヒントを自分と似たような境遇に陥ったマンガの主人公に求めました。

真っ先に思い浮かんだのは、『ドラえもん』した。

確か、ドラえもんはのび太の勉強机の引き出しから登場したよなぁ…。青年は古い記憶を思い起こしてみました。
しかし、記憶に残っているのは、のび太がパニクっている絵だけで、他の登場人物が仰天している画像はまったく浮かびません。

まさか、あんな思いっきり異質なタヌキ面のロボットが、あっさり受け入れられたのか!? そんなことあっていいのか!

ドラえもんはまったく参考にならないと知り、青年は落胆しました。

次に検索にひっかかったのは、『JIN-仁-』の主人公、南方仁でした。

しかし、これも参考にならないことがすぐに判明しました。

南方仁は異星人じゃないので、自分が未来から来たことを隠していれば、問題なく受け入れられるからです。

くそ~っ、オレはなんて不幸なんだ。

青年は、自分が一億人にひとりの難病にかかった超アンラッキーな患者のような存在に思えてなりませんでした。

あと、オレの紹介につかえる案があるとすれば、「地球みあげ」としてオレをこの星に連れてきたというくらいなものか…。

でも、そんなの絶対にイヤだ!!!

第十三話+のコピー_convert_20130629062132

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★あらすじ★

国分太一Radio Boxでストレスふっとぶ

今回お気に入りの番組として紹介したいのは、『国分太一Radio Box』です。

この番組は毎週金曜日21:00から21:55にJFN系列のFMラジオ局25局前後で全国的に放送されています。

番組のパーソナリティーを務めるのは、アイドルグループTOKIOの国分太一さんで、国分さんによるトークを始め、お題に応募したリスナーからのネタを紹介しています。

この番組を最初に聴いたときの率直な感想は、「なんて低俗でくだらない番組なんだ」(スミマセン、国分さん)というものでした。

あまりにくだらなすぎて、二度とこの番組を聴くことはあるまいと速攻他の番組にチャンネルをかえたほどでした。

ところがところが、今はハマりにハマり、毎週この時間が近づくとそわそわと落ち着かなくなり、気がつけばラジオをポケットに入れ、ラジ・ウォーに出かけるくらいヤミツキになっています。

どうしてこれほどこの番組に魅了されるのか?

それはこの番組が、とびぬけてばかばかしい点にあるといえるでしょう。

金曜日の夜といえば、ようやく不自由な労役から解放され、自由の我が身を満喫できる最高の時間帯です。

そんなとき聴きたくなるのは、深刻な内容を扱ったラジオ番組よりも、ばかばかしい話題で盛りあがれるラジオ番組ではないでしょうか。

花金の街はすれ違う人の顔も開放感に満ちあふれ、スーパー銭湯の駐車場もデニーズの店内も満杯と、まるでカーニバルです。

そういうハッピーな街を、くだらない話題に爆笑するラジオ番組を聴きながらウォーキングするのは、「ああ、なんて平和なんだろう」と、この上ない至福館を味わえるものです。

このリラックス感を味わいたいがために、きっとこの番組のファンになってしまったのだと思います。

ちなみにこの番組で募集しているお題をいくつか紹介しますと、「このあとすぐ!」「そこに問題あり!」「ずるい女」「らしくないじゃん」など。

リスナーのラジオネームもばかばかしいもの揃いで、「見栄張シューマッハ」「居眠り狂四郎」「サンタバーバラ」「テラバイト」「おまえに明日はない」「馬術を習う沢口靖子」「野を這うババア」などなど。

日々無理難題な成果を求められるサラリーマンとしては、その真逆の馬鹿馬鹿しいものを競い合うこの番組に癒やされるのです。

でも、ボクはこの番組に投稿する勇気はありません。

採用されたネタが冷笑されたら、一気にこのリラックス感が冷めてしまいますから

以下はおまけです。

もしもこんなコーナーがあったら。

お題 こんな国分太一はいやだ。

番組で風邪声だと言って三宅裕司の物真似を連発していたが、実は三宅裕司に進行を押しつけ、スッチーの合コンではしゃぎすぎて声を枯らしている国分太一。

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ねっ、だから投稿しない方がいいでしょ。






第十二話 救命の代償

「ハエだなんて、そういうつもりじゃ…」アルパカ星人は申し訳なさそうに言いました。「ただ、アナタが添乗員さんに必死に手をすりあわせて命乞いをしている姿をみて、あの句を連想しただけです」

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「もういいよ、そんなことどうだって」青年はそれでもふてくされた表情を浮かべて言いました。「それより地球に帰してくれ、オレを」

「無理です」アルパカ星人はさらに申し訳なさそうに言いました。「添乗員さんと約束をしてしまいましたので」

「約束? どんな?」

「アナタの命を救うかわりに、アナタの面倒はすべて私が責任をもってみるように誓わされたのです。つまり私は絶対に添乗員さんに迷惑がかからないようにしなければならないのです」

「それは要するに、絶対にあの事件のことを誰にも知られてはならないってことか?」

「そうです。だから絶対にアナタを地球に帰してはいけないし、アルパカ星でもあの事件のことを極秘にするように誓わされたのです。そういう条件でアナタに麻酔をかけ、密かにアルパカ星に運ぶことを許されたのです」

「馬鹿な!」青年はベッドから威勢よく腰をあげ、「そんなの知るか。お前らが勝手に結んだ約束だ。オレは帰る。帰りたいんだ!」

「そんなことをしたら今度こそ本当に抹殺されてしまいますよ」アルパカ星人は青年の前に立ちふさがりました。「添乗員さんは、定期的にアナタの様子をチェックしにくると言っていました。そしてもし不穏な動きをしたら、その場で始末すると凄んでいました」

「そんな…」青年はよろよろとベッドに腰を落とし嘆きました。こんなの嫌だ。どうかドッキリであってくれ、と。

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★あらすじ★

ラジ・ウォーのススメ

ラジオの楽しさを堪能するには、ウオーキングをしながらラジオを聴くのがいちばんだと思います。

いや、そんなことない。ラジオなんて、部屋でもクルマのなかでも聴けるし、もっと付け加えれば、ジョギングしながらでも、ブログを書きながらでも、風呂に入りながらも、畑仕事をしながらでも(キリがないのでやめます)聴けるじゃないかと反論されるかもしれません。

しかし、何をおっしゃるオカメさんです(失礼!)。
ウォーキングをしながらラジオを聴く(長くて面倒なので、以下、ラジ・ウォーにさせていただきます)と、圧倒的に質が違ってくるのです。ええ、ラジオ番組の楽しさの質が、です。

ラジオ比較文化論(そんな学問あるのか?)で証明してみましょう。

比較1)部屋聴きのここが☓

テレビやマンガ、ゲーム、ネットなど、ラジオより強力なライバルが多い。

妻の小言や、いきなりキックをしかけてくる息子、心配性な上司の電話など、集中をさまたげる邪魔者も侵入してくる。

ほろよいで横になって聴いていれば、うたた寝をしてしまいかねない(うぬ、最大の敵は自分か!)。

比較2)カーラジオのここが×

最近はカーナビの普及が激しく、車中でもテレビやDVDなど、強力なライバルが侵入している。

また、車中でも、妻の小言や、背後からいきなりくる子供の目隠し、仕事中毒の上司の電話などに邪魔される。


運転を替わってもらって、じっくり聴こうとすれば、大抵、強力な睡魔に襲われ、これまたうたたね。

何より、ウォーキングにくらべて身体を使わないし、ガソリン代もかかる。要するに、不健康で不経済だ。

比較3)ジョギング・ラジオのここが×

これは僕の経験からマイナスポイントを説明しましょう。

一度、ラジオを聴きながらのジョギングを試してみましたが、これはキケンだと思いました。
ジョギングをすると恐ろしいくらい汗をかきます。もちろん、その汗は例外なく、イヤホンの外側の耳の穴にも大量に流れ込みます。
僕は思いました。こんなことをしていたら中耳炎になり、いつか、「何も聞こえない、壊れかけのレディオ(壊れるのはオレの鼓膜)」という悲劇に見舞われると。

また、ラジオ番組で映画名曲集なんかを特集していて、ロッキーのテーマソングでも流れてきたら、ロッキーになった気分になり、限界をこえたスピードで爆走してしまうかもしれません。そうしたら、ヒザも「壊れかけのレディオ」になってしまうでしょう。

比較4)ブログ・ラジオのここが×

ラジオを聴くのもブログを書くのも頭を使うので、ブログに熱中していると、当然ながらラジオの内容が入ってこない(いくらパソコンが高性能なクワッドコアでも、ブログを書く人の頭はシングルコアなので…)。

反対にラジオに意識を傾ければ、ブログの内容がその影響を受けて、シリアスドラマを書くつもりが、コントになってしまいかねない。

比較5)入浴しながらのラジオのここが×

ラジオ番組を楽しむには意外に向いているが、夢中になりすぎて長湯になりがち。順番待ちの家族に迷惑をかけ、入浴後、妻の小言や息子のキックの応酬が待っているかも。

また、イヤホンをつけて聴けないのも×。ラジオからいきなり若い女性の高笑いが流れれば、風呂のなかで何かいかがわしいことをしているのではないかと勘ぐられるリスクも。

比較6)畑仕事しながらのラジオのここが×

畑をもっていない(個人的な理由か!)

<結論>

これらと比較すると、ラジ・ウォーにはテレビやマンガなどの強力なライバルが出現しませんし、邪魔も入りません(いけていないオヤジと並んで歩くのを家族も嫌うので。さみしー)。

それに、ウォーキングは身体の運動、ラジオを聴くのは頭の運動と、運動回路がバッティングしないので、ラジオを集中して聴けるという利点もあります(ガッテンしていただけますか?)。

また、それはメタボ解消とストレス解消を同時に叶えられるという、プリウスにもまさるハイブリッド効果があるのも見逃せません(そのわりには、なかなか痩せない)。

メタボ解消ならジョギングの方が効果があるじゃないかと反論されるかもしれませんが、もしラジオで盛りあがっているラーメンの話題に食欲をそそられたら、下着姿とかわらないジョギングスーツの格好でラーメン店に入る勇気がありますか。
その点、ウォーキングならばカジュアルな普段着なので平気でラーメン店に入り、ご希望のこってり豚骨ラーメンを食べられます(成果がでないのは、そのせいか!)

以上の理由から、ラジ・ウォーに勝るものはないと強く主張するのです。


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山下達郎さん、今日も癒されました

山下達郎サンデー・ソングブックに癒されながら、無事ウォーキングに行って来ました。

それだけ?

ツイッターか!

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第十一話 愛は青年を救う

「宇宙の藻屑になるくらいなら、あの時、地球で殺されて川の藻屑になっていたほうがマシだ!」

添乗員の身勝手な手法に腹が立ち、青年は怒鳴り声をあげました。

「まぁ、落ち着きましょう」アルパカ星人は馬の興奮を静めるように青年の首筋を優しくさすりながら(これでは、どっちがアニマルかわかりませんね)「こうして助かったわけなんですから」

しかしそれが効いたのか、ふう~っと荒れた呼吸を整えてから、青年は聞き返しました。「そ、それでオレはどうして助かったんだ」

「あのままでしたらアナタ、本当に添乗員さんに抹殺されてしまいそうでしたので、ちょっと脅したんですよ。添乗員さんを」

「脅した? その顔で?」脅迫という行為が似合わない愛くるしいアルパカ星人の顔をまじまじと見つめて、青年は尋ねました。「で、どんな脅しを?」

「アナタを殺したら、私が真実をラマ観光に暴露しますよって、脅したんですよ」

「ど、どうしてオレなんかを…」胸にぐっと来るものがあり、青年は声をつまらせてしまいました。

久しく味わっていなかった人情?(アルパカ星人だからアルパカ情?)に触れ、青年はふと地球にいた頃のつらい日々を思い出しました。

思えば、サラリーマンになって以来、誰かにこんなに優しくされたことはなかったな。
会社ではお前の代わりはいくらでもいるんだぞと脅され、虫けら扱い。
落ち込んでうちに帰っても、温かい笑顔で迎えてくれる彼女がいるわけでもなく、ひとり冷たいコンビニ弁当を食べていたっけ。
そうだ…。
ただ唯一、温かい言葉をかけてくれた人がいた。
いきつけのコンビニのレジのねえちゃんだ。
もしかしたら、あの笑顔をみたいがために、オレはコンビニに通いつめたのかもしれないな。
でも、オレは知っている。
彼女の笑顔はオレだけに向けられていたわけじゃないってことを…。

あの人の微笑 やさしさだけだと 知っていたのに それだけでいいはずななのに 愛を求めた片想い

フラれるたびに何度も聴いた浜省の「片想い」のメロディが胸中に流れ、青年の涙腺はついに決壊。あふれる涙を抑えることはできませんでした。

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「でも、命の大切さを教えてくれたのはアナタたち地球人なんですよ」とアルパカ星人が言いました。

???

「仲間とはぐれて漂流していた時、偶然出会った石碑に刻まれていた言葉に私はとても感銘をうけました。そこにはこう書かれていました。

やれ打つな 蝿が手をすり 足をする

と」

「オレはハエか!」

結局虫けら扱いされる青年でした。

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★あらすじ★

オールディーズでまったり

ラジオが好きです。
とくに好んで聴くのがFMラジオ。

このカテゴリでは、僕が好んで聴くラジオ番組を紹介していきたいと思います。

その第一弾として紹介したいのが、毎週日曜日14:00~14:55にJFN (TOKYO-FM系 全国38局ネット)で放送している『山下達郎サンデー・ソングブック』です。

この番組は、1950 - 1970年代のオールディーズを中心とした曲(山下氏が所蔵する音源のもの)をオンエアする他、山下氏のトークあり、リスナーからのリクエストや質問ありと、盛りだくさんな構成になっています。

この番組はけっこう昔から続いていて、僕が新社会人(もう20年も前になります。ヤバ、年がばれてしまう)になった頃からやっている長寿番組です。

新社会人の頃はドライブをしながら聴くのが常でしたが、今はウォーキング(中年太り解消のため? ほっとけ!)をしながら聴くのを楽しみにしています。

といっても、僕はオールディーズにたいして詳しいわけではありません。

ただ、昔懐かしい音楽と山下氏の落ち着いたトークに癒やされるので愛聴しているのです(憂鬱になりがちな日曜の午後を癒やしてもらうにはうってつけ!)。

さぁ、今日の午後も、ラジオ・ウォーキング(略してラジ・ウォー。略して意味あるの?)に出かけるぞ!(でも、梅雨時だから、ちょっと心配

第十話 隠蔽工作

「いや、けっこう危なかったんですよ。アナタの命は」

アルパカ星人は、医者が患者に重大な告知をする時のような深刻な表情で話し始めました。

「添乗員さんは非常に恐れていました。アナタが意識を取り戻したときのことを。もし誰かに私たちと遭遇したときのことをしゃべられたら、大事になりますからね」

何をそんなにびくつく必要あるのだろう、と青年は思いました。
テレビでたまに宇宙人と遭遇したという人を取りあげた番組をやっているが、あんなの誰も信じていやしまい。だからバラエティー番組扱いなのだ。オレはそんな見世物になるのはゴメンだ。青年は大衆の前で自分が変人扱いされているシーンを想像すると、拒絶反応で思わず身震いしてしまいました。

「でも、おもしろ半分で取りあげられても、騒ぎになるのは確かですからね。だって私たち、地球人が想像しているような異星人とはだいぶ違うでしょ?」

「確かに、そうだな…」

それには青年も相づちを打たざるをえませんでした。
アルパカにそっくりな宇宙人に出会ったなんて話をしたら、よけいに馬鹿馬鹿しさが倍増して、あっちこっちのバラエティ番組にひっぱりだこになるかもしれないと合点したからです。

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「でしょ。それで、その騒動がラマ観光の耳に入れば、添乗員さんは責任をとらされることになります。それを非常に恐れていたわけです」

アルパカ星人は話を続けました。

「そこで添乗員さんは、アナタをここに放っておくわけにはいかないと言いました。そこで彼が下した決断は、アナタを仮死状態にしたまま、他の乗客には悟られないように密かに宇宙バスに乗せ、宇宙の何処かにこっそり捨てて証拠隠滅をしようというものでした」

「じぇじぇじぇ!!」

青年は宇宙の藻屑となって消えていく自分の姿が脳裏によぎり、思わずいま話題の朝ドラの驚きのリアクションをしてしまいました。

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★あらすじ★

第九話 命拾いした理由

「しかし、俺はあの時、確かにココをツアコンの拳銃にバーンとやられたはずだ」

青年は背中に右手を伸ばし、弾丸が当たったと記憶されるカ所を指さしました。

「やられてませんよ」アルパカ星人は笑い飛ばしました。「ラマ観光の添乗員さんが引き金をひいたのは事実ですが、あなたの身体のどこにも弾丸は命中していませんでした」

えっ…。青年は、救われたような救われていないような複雑な感情に宙ぶらりんになり、ただポカンとした表情を浮かべるしかありませんでした。

「説明しましょう」アルパカ星人はベッドのわきにあった椅子に腰掛けると真相を打ち明け始めました。

「添乗員さんが銃口を向けたとき、あなたはびっくりして反射的に背中をむけて、必死に逃げまよね」

「あ、うん…」

「標的が動けば、銃の扱いに慣れていない素人が思ったところに弾丸を当てることはなかなか難しいものです。それにわたしも、とっさに添乗員さんに体当りして狙いを狂わせましたので、余計に銃口はぶれたのです」

ふうむ…。

確かにツアコンが日常で銃を扱わなければならない場面に遭遇することはめったにあるまい。しかし青年は弾丸が当たっていないにもかかわらず、なぜ意識を失ったのか納得がゆきませんでした。

「それはアナタが倒れた拍子に河原の大きな石に頭をぶつけて、気絶してしまったからですよ」

えっ…。

「添乗員さんはけっこう動揺していましたよ。おそらく人を撃ったことは初めてだったんでしょう。アナタが河原で倒れているのをみて、ようやく冷静さを取り戻したようで、自分がしでかしたことの大きさに震え始めました」

「そ、それで…」

「私たちは、恐る恐るアナタに近づき、アナタの身体のどこに弾丸が当たったのか確かめてみました。しかし、どこも銃痕は見当たらず、アナタがただ気絶してるだけだとわかりました」

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へっ…。なんだか青年は自分がひどくマヌケな存在のような気がしてきて、両人に申し訳なくなってきました。

「で、どうしてアンタらはオレを救おうって思ったの?」青年は恥じていることを悟られないように、わざとぶっきらぼうな口調で聞き返しました。

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★あらすじ★

ネット小説擁護論

電子書籍が誕生し始めてから、紙の本とネットのどっちがいいのかという議論が続いております。

第三者から見ると、熱くなっているのは、ネット側より、紙の本を書くことを生業にする作家や出版社、新聞社のようです。

こんな話題を出したのは、今日会社から帰ってきて、某新聞社の文芸欄を読んだからです。

そこには、つい先日、二人の有名作家が紙の本の可能性について公開対談をおこなった要旨が掲載されていました。

彼らは、もちろん紙の本擁護派です。

まず彼らの主張する紙の本の美点は、電子書籍にくらべて身体を使って読む分、内容をよく覚えられるという点。

書き込みながら読める点も、紙の本の方が優れていると主張しています。

しかし、彼らが特に強調するのは、紙の本をつくるのは手間暇がかかり、「結果をすぐに出せ」という経済優先の考え方と違い、短期的に元はとれないかもしれないが、貨幣で量れない価値を生み出す可能性があるということです。

複雑に考えることを嫌い、「うるせえ」のひと言で片付けてしまうネットのおそろしさにも苦言を呈していました。

それに対して、ネットは手間もコストもかけずに、誰でも自由に小説を発表できる点を非難します。

それはある意味民主主義的であるが、文学賞のふるいにかからない素人が小説や書評を書くのは、玉石混交になり、作品の評価をわからなくしてしまうのでよろしくないということでした。

ボクは紙の本をよく買いますので、その価値もよく理解しているつもりですが、彼らの主張はちょっと偏見がすぎるのではないかと感じました。

文学的な才能に恵まれ、頭も良い彼らと違い、ボクは帰宅して疲れた身体で作業服を洗い、寝る前のわずかな時間で拙いネット小説を書くような身分の人間ですので、彼らの議論に太刀打ちできるだなんて思っていませんが、ひと言、ネット小説擁護論を書かせていただきたいと思います。

まず、文学とは現在の貨幣では量れない価値を生み出す可能性をもっているので、経済優先の考え方でみるのはおかしいという点に対して。

それを言わせてもらえば、ネット小説も同じではないでしょうか。そもそもネット小説を書いている素人作家は、純文学の作家以上に金のために小説を書いているのではありません。

ひとそれぞれでしょうが、成果ばかりを求められる日常の労働から解放されるネットの世界で、楽しみだけのために小説を書き、ときどきコメントを寄せてくれる読者に感激し、それをエネルギーに創作を続けるささやかな楽しみを、いきなり一流作家とおなじ土俵にのせられ、実力のない者が自由に掲載できるネット小説なんてよろしくないと、なぜ否定されなければならないのか理解に苦しみます。

一流の作家だって、最初はいきなり一流の実力をもっていなかったはずです。
新人賞を苦労してとって、編集者や読者に育てられ実力を高めていったはずで、自分一人で一流になれたわけではないでしょう。

ネットだって同じです。読者に育てられ、実力をたかめ、その中からもしかしたら彼らの実力を上回る作家が誕生するかもしれません。

それをネットの世界は玉石混合だからおそろしいと決めつけるのは、新たな芽を育てるどころか、出る杭を打つような行為で、さらに文学の世界を偏狭なものにしてしまうような気がします。

そもそも文学とは、これまでに存在しなかったようなおそろしいものを書いてやろうというくらいの気迫が必要なのではないでしょうか。それをおそろしいから嫌だと避けているようだから、紙の本の文学(とくに純文学)が退屈になってきたような気がします。

また、紙の本は電子書籍に比べて頭に残らないという主張ついても、言うほどではないと思います。

もしそれが本当なら、なぜそう言っているお二人の本の内容が、彼らの知名度ほど、我々(少なくともボク)の記憶に残っていないのでしょうか。

紙の本であろうがネットであろうが、大切なのは自分の作品の可能性を信じて書くことのはずで、紙の本の売れ行きの悪さをネットのせいにするのは、金のために本を書いている本音を暴露しているようなものです。

最近、彼らの新刊書は書店を賑わすことはありません。彼らは現在、紙の本で稼ぐよりもどこかの大学の教授になって安定した生活を得ているようです。

経済優先の考え方はおかしいと良いながら、紙の本で勝負をする覚悟のない生き方に説得力を感じないのはボクだけでしょうか。




第八話 悪夢か天国か

嘘だろ…。青年は呆然として窓の外を凝視しました。

そこには、朝の強い日差しの下、何匹?ものアルパカ星人がいて、ある者は鼻歌を唄いながら花に水をやっていたり、ある者はランニングシャツ姿でジョギングをしていたり、ある者は玄関先で歯磨きをしてウエッとやっていたり、要するに、我々人間が毎朝しているようなことをしているのでした。

第八話+のコピー_convert_20130618211320

青年は、その光景を現実のものとして受け止めることはできませんでした。

そうだ。オレは悪夢を見ているに違いない…。

おい、目を覚ますんだ! 

青年は、アントニオ猪木ばりの気合いの入ったビンタを右の頬にくらわせました。

しかし…。

イテテテテッ

脳しんとう起こすほどのの激痛が…。
口腔内のどこかを切ったらしく、青年の口のなかは少し血の味がしました。夢でこんなリアルな痛みを感じるわけがないと思うと、青年はどん底に落ちるような絶望感を感じました。

「だ、大丈夫ですか?」驚いたように目を丸くして青年を見守るアルパカ星人。「何でそんなことを?」

青年は痛む頬をさすりながら、
「だって、こんなことありえないよ!」と叫ぶと、狂ったように、窓の外に向けていちいち指をさし、「ほら、そっちにもアルパカ星人、あっちにもアルパカ星人、こっちにもアルパカ星人。どこもかしこもアルパカ星人だらけ。こんなの、誰が信じられるかっての! 悪い夢を見ているとしか思えない。だから思いっきり自分の頬をひっぱたいたんだ!」

「信じられないと言われても…」困惑した表情を浮かべるアルパカ星人。「ここはアルパカ星なんですから、アルパカ星人がウヨウヨいてても、ちっとも不思議じゃないですよ」

「だったら、この状況をどう説明できるんだよ」なおも噛みつく青年。それから、ふと何かひらめいたらしく膝をたたくと、「そうか、わかった。ここはあの世なんだ。オレは銃殺されたんだものなぁ。ツアコンの拳銃でバーンと」

「いいえ、アナタは助かったんですよ」アルパカ星人は青年をなだめるように優しく言いました。「だからここにいるんじゃないんですか」

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★あらすじ★

第七話 衝撃の朝

「身体大丈? どこも痛いところないですか?」アルパカ星人は驚きで言葉を失っている青年の横を笑顔で通り過ぎ、部屋のカーテンを開けました。「今朝も、いい天気ですよ」

サッと入った朝陽が部屋のなかを明るく照らしだしました。

うっ…。

明るさに目が慣れていない青年は、思わず目をふさぎました。それから、瞼をこすりこすりゆっくり目を開けると、

「こ、ここは…」

自分の部屋だと思い込んでいましたが、まったく知らない部屋でした。事態が飲み込めず、頭が真っ白になる青年。俺は、いったい誰の家に…。

「そうですよね、びっくりしますよね。目が覚めたら、全然知らない部屋だったら」アルパカ星人は青年をいたわるように優しく語りかけ「実はここ、僕の家なんです」

アルパカ星人の家? ってことは、ここは地球じゃない…。青年は心臓がつぶれるほどの衝撃を受けました。

事実を確かめるために、バッと後ろを振り返り、窓の外に目をやる青年。

第七話+のコピー_convert_20130616101625


嘘だろ…。

目の前の光景に青年は驚愕しました。

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★あらすじ★

第六話 蘇生

う〜ん

青年は目を覚ましました。

俺は、生きていたのか!

いつもは会社に行くのが嫌で、朝なんて来なければいいのにとブツブツこぼすのが習慣の青年でしたが、今朝は生きる歓びに包まれていました。

それにしても、嫌な夢だったなぁ…。

青年は額の汗を拭い、現実にあったように鮮明に記憶されている夢を振り返りました。毎晩のように悪夢にうなされる彼でしたが、これほどはっきりと思い出せる悪夢を見たことはありませんでした。

けど、どうやって家にたどり着いたのだろう?

青年は、厚いカーテンから朝陽がほのかに差し込む暗い部屋の天井を眺めながら、昨夜の記憶を順を追って思い出してみました。

確か、俺は帰宅途中のコンビニで缶ビールをひとつ買った。

それを橋を渡りながら飲んだ。

でも、その程度の量のアルコールが入ったくらいで、記憶を失うわけがないよなぁ…。

もしかしたら本当に川に落ちて、記憶を失ったのか…。

青年は服を触ってみました。

寝汗はかいていましたが、水に浸かったというほど背広は濡れてません。

そうだよな、と青年は思いました。川に落ちて気を失ったら、生きて帰れるわけがない。

誰かに助けてもらわない限り…。

青年はアルパカ星人の顔を思い出しながら、そんなことあるわけがないと、その記憶を追い払うように首を激しく振りました。

その時でした。

突然、部屋のドアが開いて、その隙間から、長い首がにゅっと顔を出したのです。

ひ〜っ!

青年が驚いて、上半身を起こすと、

「良かった。目が覚めて」

第六話+のコピー_convert_20130615063853


記憶から追っ払ったはずの、アルパカ星人が青年に微笑みかけてきました。

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★あらすじ★

第五話 絶体絶命

ふ〜っ

添乗員は口元についた嘔吐物を拭いながら、ジロリと青年をにらみました。

「こうなったら、消えてもらうしかないな」

消えてもらうって、もしかして殺すってこと…。青年は凍りつきました。

「ひ〜っ、助けてください!!」

青年は地面に額を擦り付け、後頭部の上で合掌しました。ほんの数分前、自殺を考えていた者とは思えないような、必死の命乞いです。

「殺すなんて物騒なこと止めましょうよ。黙っていてもらえば、済む話じゃないですか」

アルパカ星人のまさかの援軍。コイツ、けっこういい奴かも…。青年はアルパカ星人を少し好きになりました。

「ケッ。甘いね」添乗員はツバを地面に吐き捨て、「人が良すぎるんだよ、アルパカ星人は」

「いや、信じてあげましょうよ」アルパカ星人は青年に目配せし、同意を促しました。「誰にも話さないって、約束してくれますよねぇ」

「はい。約束します」青年は全身全霊をこめて断言しました。「絶対、誰にも言いません!」


「ダメだね」添乗員は頭を振って、冷たく却下しました。「地球人は信用出来ないって有名だし、特にあなた…軽そうだから」

「そんなぁ…」がっくりと項垂れる青年。

「かわいそうだけど」添乗員は手提げかばんのなかを探りながら、「万全を期さないと、安心できないんで」

そう言うと、拳銃を取り出し、銃口を青年に向けました。

第5話+のコピー_convert_20130613125923


「た、助けて」反射的に銃口から背を向ける青年。

「ちょっと、やめて」背後から、銃殺を阻止しようとするアルパカ星人の声。

バーン!!!!!!!!!

闇夜に響く銃声とともに、青年の身体は前のめりに倒れていきました。

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★あらすじ★

第四話 新たな妖怪

「困りますよ。集合時間を守っていただかないと。もう5時間も出発時刻を過ぎているんですよ。他のお客様にも、だいぶご迷惑がかかってますし、ツアーの予定も大幅に狂ってしまって、私も、あたたっ、頭が痛いですよ」

背後の茂みの方から、いら立った男の声が聞こえてきました。

助かった、と青年は胸をなでおろしました。

ツアーということは、どこかの旅行会社の添乗員に違いない。それにしても、深夜のこんな辺鄙なところに通りかかってくれるなんて…。くう~っ、ラッキー。助けを求めて、早くここから逃げだそう。

青年は嬉々とした表情で振り返り、大声で呼びかけました。

「助けてくださ~い!!」

が、しかし…。

えっ…。

目が合ったのは、想像していたナイスミドルの添乗員ではなく、またもや首のながい妖怪でした。

しかし、アルパカとは微妙に違い、茶色い毛はアルパカのようにふかふかしていませんし、顔もアルパカほど愛らしくありませんでした。

新たな妖怪は青年と目が合うと、ギョッとした表情になり、

「ちょ、ちょっと、これはどういうことですか。まずいなあ…」

と、さらにいら立った声をあげ、

「あれほど、地球人と接触しないように注意したのに、どうして…」

四話+のコピー_convert_20130611204645

茂みを掻き分けながら、アルパカ星人ににじり寄ってきました。

「すみません。仲間とはぐれてさまよっていたら、ちょっと、アクシデントが起きてしまいまして…」

アルパカ星人はピンク色のかわいらしいベロをだして、ペコリと頭をさげました。

「笑顔で済ませられるような軽い話じゃないですよ。このことがラマ観光に知られたら、私の立場が…」

ううぷっ

いきなり嘔吐くと、ラマ観光とやらの添乗員は大量の嘔吐物をはきました。

くさ~っ!!

この世のものとも思えない悪臭を放つ嘔吐物のしずくが顔にかかり、青年はもらいゲロをしそうになってしまいました。

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★あらすじ★

第三話 つかの間の安堵

ひ〜っ!!

ろくろっ首のような長い首が起きあがった時、青年はやはりこの物体は妖怪だったのだと確信しました。

ところが、振り向いた顔は、予想に反してとても愛らしいものでした。

ぷっ

あまりのギャップに恐怖を忘れ、青年は思わず吹き出してしまいました。

第三話+のコピー_convert_20130609100724


でも、どこかで見たことのある生き物だなぁ…。

怯えた表情で青年を見るその生き物を凝視しながら、青年はその生き物と合致する動物をフル回転で検索しました。

「そうか。アルパカだ!」

…でも、アルパカって、空を飛べたっけ?

やはり自分は川に落ちて、その衝撃で気絶し、おかしな夢でも見ているに違いないと青年は思いました。

「どうして知っているんですか? アルパカって」

「は?」

いきなりその生き物に訊かれ、青年は呆然としました。

やはりこれは夢だ。…いや。夢あってもわらなければ困る!

しかし、その生き物は青年の願望を打ち砕くような、はっきりとした口調で聞き直してきました。

「だから、どうして僕がアルパカ星から来たって知っているんですか?」

ウソだ!ウソだ!ウソだ!


青年は頬を思い切りつねり、目の前で起こっている受け入れがたい光景が夢であることを確認してみました。

痛っ!

夢でないのか…。

わーっ!!

青年はあまりの恐怖に絶叫しました。

すると、突然、背後の茂みがガサガサと音がして、

「やっと、見つけましたよ。困るじゃないですか」

何者かの声が聞こえてきました。

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★あらすじ★

第二話 命拾い

うぁぁぁ~っ

死ぬ瞬間はスローモーションのようにすべての光景がゆっくり見えるといいますが、青年はそれはウソだと思いました。

青年がどんなにあがいてみても、その抵抗空しく、見る見る間に川面が迫ってきます。

もうダメだ、と目をつぶった瞬間、青年の体は毛布のような柔らかな物体の上に沈み込みました。

と、同時に

ギャー!!

耳をつんざく悲鳴。

青年は仰天して、反射的に目を見開きました。

目の前に映ったのは、毛むくじゃらの白い物体。

巨大な鳥? それとも妖怪?

皆目見当がつかず、青年は激しく動揺しました。

しかし、ここで手を離したら、ゴーゴーと激しく流れる川に飲み込まれてしまいます。

彼は、あらん限りの力で救いの神?にしがみつきました。

第二話修正+のコピー_convert_20130608064005


一方、白い妖怪も必死でした。ゼーゼーと荒い息を吐きながら、川岸に向かって短い羽をばたつかせています。

青年を振り落とそうとする白い妖怪の戦いと、そうはさせまいとする青年の戦い。

その根性比べは川岸で終焉しました。

青年の体は砂地に放り出され、妖怪の体もそこでのびました。

いったい何者なんだ…。

青年が痛む背中を起こすと、その白い物体はろくろっ首のような長い首を持ちあげて彼の方に顔をむけました。

ひ~っ!!

青年は仰天して、腰を抜かしてしまいました。

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★あらすじ★


第一話 転落事故

星がきれいに輝く夏の初め。一人の青年が思いつめた表情で橋の上から暗い川を眺めています。

ブルーな青年


人家もまばらな郊外なので、午前1時を回ったこの時刻になると、橋を渡る人や車はおらず、川の流れる音に混じって聞こえる鳥の鳴き声のほかは、何の物音もしません。

「やってられるか!」

その静寂を打ち破るように、突然、青年が大声を上げました。

「課長も、部長も、社長も、みんなクソだ」

「無茶ばっか言いやがって、それに見合った給料なんてもらってないっての」

「使えねえヤツだなんて、冗談じゃねえ。自分は遊んでいるくせに。パワハラ上司」

「あんな会社、ブラックだ。辞めてやる!」

そう叫ぶと、青年は右手にもった缶ビールを川に向かって投げ捨てました。飲みかけのビールが弧を描いて川面に落ちていきます。相当、うっぷんがたまっているようです。

「といっても、就職難のこのご時世、辞めても地獄が待っているだけか…」

今度は一転、沈んだ声。

「今ですら結婚なんてできる状態じゃないのに、プーになったら余計結婚が遠のくだろうな…」

いったんネガテイブな発想に陥ると、もし親が要介護になったらどうしようだの、年金がもらえなかったら老後はどうなるんだだの、次々と将来の不安が彼の胸中に押し寄せてきました。

「俺、やっていかれるだろうか…」

投身自殺をしてしまいたいような衝動に駆られ、青年は欄干を軸にして上半身を深く折り曲げました。

一歩間違えれば、本当に落下してしまいそうな体勢でしたが、ちゃんと身を守る計算をしていました。本気で自殺するつもりはなかったのです。ただ、その願望を少し実行することで、癒しを得たかっただけなのです。

「しまった!」

ところが、計算外の事態が起こりました。

ファスナーを閉め忘れていたせいで、背負ったリックサックから、書類がずれ落ちてしまったのです。

その書類は、課長から渡された重要な資料でした。もし、その書類を無くしたことが課長に知られたら、どんな叱責を受けるかしれません。

とっさに、紙吹雪のように舞い落ちていく書類を拾おうと、青年は身を伸ばして両手をばたつかせてしまいました。

うぁぁぁっ〜。

その直後、青年の身体はゆったりと舞う書類を追い越す勢いで、暗い川面に落下していきました。

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マウントエレファント

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アルパカとバラとスプリング、つまり春(おまえはルー大柴か)を愛するナイスミドル?なサラリーマンです。でも同僚には、そんな趣味、ばらしません。キモイっていわれますから。残念!(古っ!)

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