第四十五話 5分の観光

★初めての方はこちらから★

ケンシロウの不安を知らずに、ギースが現れた方向にズンズン進んでいくマリー。一方、その後を重い足取りでついていくケンシロウ。どんどんマリーとの間隔が離れていきます。

「ちょっとどうしたのよ。若者らしく、もっと元気よく歩きなさい!」
後から響いてくる足音が小さくなっていくのに気がついたのか、マリーは後ろを振り返ると、ケンシロウに喝を入れます。

「ちょっと、疲れちゃって。一休みしてから行きません?」
ギースとの接触をさけるために、ケンシロウは少しでも時間稼ぎをしようと、大げさに肩で息をしてみせました。

「一休みって、まだいくらも歩いていないじゃない」マリーは歩いてきた遠方に目をやります。家を出てからまだ一キロも歩いていないので、真っ直ぐにのびた道の先に、そよ風の家がまだ確認できます。「ただでさえ、長い道草をしちゃっているんだから、急がないと。畑ももうじきだし、さぁ頑張って歩きましょう」

「はぁ…」
息切れとも同意ともわからないような、元気のない返事をするケンシロウ。それでもぐずぐずして、時間稼ぎの悪あがきをしています。

「仕方ないわね」マリーは腕組みして、ため息をつきます。「じゃ、5分だけ休みましょう」

よっしゃー! 5分もあれば、充分時間稼ぎができる。ケンシロウは命拾いした喜びから、「ありがとうございます!」と元気の良い声を張りあげて、深々と腰を折りました。

「なんだ、元気あるじゃない。本当にバテているの?」
マリーは疑わしそうな視線をケンシロウに向けます。

「あっ、もうだめ」ケンシロウは演技の破綻を挽回するように、今度はよろめいてみせ、「急に元気をだしたもんだから、なんだか、猛烈なめまいが…」と言って、道路の脇にヘナヘナと座り込みました。

「なんだか、怪しいわね」と疑いながらも、マリーはその隣に腰をおろすと、「でも、5分よ。いいわね、5分だからね」と念を押しました。

その間、やることもないのでケンシロウは目の前に広がる街並みに目をやりました。
その景観は、自分の暮らしていた日本の雑然としたものとは大いに違い、きちんとした都市計画に基づき形成された統一感のとれた美しいものでした。

第四十五話+のコピー_convert_20131130190717

外国旅行を一度もしたことのないケンシロウは、古い街並みを大切に保存するヨーロッパもこんな感じで美しい景色を観賞できるのだろうかと思いながら、しばしすべてを忘れて、うっとりとその街並みを眺めたのでした。

前へ

次へ

★あらすじ★


スポンサーサイト

ハイテクメガネで5分でデキル男に

昨日漫画で取りあげたウェアラブル端末、従業員の仕事ぶりを知る監視ツールとなるリスクもはらんでいますが、労働者の助けとなるツールになりうる将来性もあるそうです。

11月26日のNHK情報番組「クローズアップ現代」で取りあげられた、メガネ型のウェアラブル端末を使ったある病院では、その端末から段取手順が発せられることで、慣れた看護婦にしかできなかった手術の準備をするため器具や薬品を揃える作業が、「医療の素人」でも準備ができるようになったとの報告がありました。

もちろん、そのような端末を通じて容易にマニュアルを学ぶことはできても、素人がマニュアルを読んでいきなりホームランバッターになれないように、いきなり熟練の業を身につけられるわけではありません。

しかし、その端末を装着するだけで、昨日入った新人でも、迷うことなく雑事をこなせることが可能になります。その結果、OJTの手間が省け、熟練者はより専門的な業務に専念できるようになり、結果、生産性の向上につながることが期待されるわけです。これは、ちょっとした労働イノベーションになりうると思いました。

そこで、ふと思いました。これは仕事だけではなく、私生活でも活用できるツールになりうるのではないかと。
スマホを始めとして、現代文明が手に入れた様々な装置は発達しすぎて、お年寄りを中心に使いこなせていないように思われます。また、使いこなすには、難解な分厚い取扱説明書を読み込まなければならず、いったいどのくらいの人が、その機能を熟知しているのか疑問にも思います。

そこでもし、ウェラブル端末にマニュアルを記憶させ、その使い方を懇切丁寧に教えてくれるようになれば、大いに助かるのではないかと思いつきました。
また、そうすれば需要の拡大も期待でき、景気も良くなるのではないでしょうか?
でも、ま、ボクが提案するまでもなく、きっと誰かが思いつき、それが当たり前の時代が来るのでしょうね。

動かぬ証拠

近い未来、こういうこと起こりうるかも…。
監視社会の恐ろしさを描いてみました。でも、この人の場合、身から出た錆なんですけどね。

動かぬ証拠+のコピー_convert_20131128204414

あてにならない予言

この度、ノロウィルスにかかり大変な思いをしましたが、学んだこともありました。
それは、「専門家の予言を鵜呑みにして、未来を不安がってばかりいても仕方ない」ということです。

ノロウィルスと診断されたとき、医師はボクに断言しました。「ノロウィルスは感染力がものすごいですからね、家族の人に必ずうつりますよ」と。
家には免疫力の落ちた高齢者もいますので、感染が原因で命に関わるような事態になったら大変だと、震えあがりました。
しかし、医師はボクの動揺をさらに強震させるように、「ウォシュレットでもうつりますからね」と脅し文句。「とにかく、手洗いだけは徹底して下さい」とアドバイスを伝え、退席を促しました。

しかし幸いにも、今のところ家族の誰もノロウィルスの症状は出ていません。
「必ず」とまで断言した専門家の予言も、あてにならないなとほっとしつつ、他の分野についても、我々の不安を煽るような暗い予言を専門家を初めとする識者たちは語っているけれど、それも同様にあてにならないのではないかと思いました。
ならば、そんなのにびくびくして、今を楽しまないのは、ひどくもったいないような気がします。

危機感をもって準備をするのは大切ですが、くよくよ悩んでばかりいても仕方ないですよね。
斎藤茂太先生も著書『そんなに自分を叱りなさんな 心のモヤモヤ退治法89』(集英社文庫)なかでこう語っています。「生きていれば無力感を感じたり憂うつになったり、先行きが不安になって当たり前だ。当たり前の現実的な心配ができるのは、ポジティブだからこそである」と。従って、現実的な心配から目をそらして、「なんとかなるさ」と何も準備をせず、その結果うまくいかなかったら、他人と運のせいにするネガティブな楽天家より、一見ネガティブだが、ちゃんと現実と向き合い、準備を怠らないポジテイブな心配性のほうがいいと語っています。

できるだけのことをしたら、後はくよくよ考えない。「人事を尽くして天命を待つ」の精神が大切だなと、つくづく思いました。


長一日の顛末の顛末

先日、診察待ちの地獄をかいた「長い一日の顛末」という記事を投稿しましたが、今日はその顛末の顛末を報告したいと思います。

前回の顛末をまとめますと、ノロウィルスにかかっていると診断され、4,5日会社を休まざるをえなくなったわけですが、薬が効いたのか、二日目あたりから症状は劇的に改善されました。

となると、休んでいることに罪悪感を感じ、今度は気が病んできます。
かといって、感染リスクがおさまっているわけではないので、出社するわけにもいかず、一日中ヤキモキ。
ずる休みをしているわけではないのですが、なんか嘘をついているような嫌な気分がはなれず、一刻も早く、診断書を上司に手渡して無実の罪を晴らしたいと焦っていました。

しかし、医師からは「薬が終わったらまた来て下さい。そこで完治を確認してから、診断書を出しましょう」と言われているので、その日を待つとなると土曜日になります。それでは、会社に診断書を持って行けるのは月曜日になってしまいます。ボクは、ああ、えん罪の苦悩を二日も余計に味合わなければならないのか、とげんなりしてしまいました。

その重圧にたえきれなくなり、せめて土曜日には確実に診断書を入手できるようにと、その前日、つまり金曜日の午前10時ちょい過ぎ、意を決して診療所に電話をかけました。

電話に出たのは、さわやかに、診療所名と自分の名字を語る若い女性の声。ボクは初恋の人に初めて電話するような緊張感で、しどろもどろになりながら要件をつたえました。

ところが、その女性(たぶん受付の職員)は、「診断書とは?」と飲み込めない様子。
診断書などもらった経験がないボクは、間違った言い方をしたのかと焦り、「ノロウイルスにかかっているという証明書です」と具体的に説明しました。

それでも彼女は「証明書ですか? 診断書ですか?」と、禅問答のような質問をぶつけてきます。

ボクはますますパニックになり、「ノロウイルスにかかっていることを証明する診断書です」と全部込みの説明をしました。
しかし彼女は「証明する診断書?」と、まだ通じない様子。

埒があかないので、権威のお力を借りるべく、「この間の診察で、先生が診断書が必要だったら出すのでと言ってました」と告げました。

すると、「ちょっとまってください。先生に確認してきますので」とようやく前向きなアクション。
朗報を祈りながら待っていると、「診察の結果を見て、診断書を出してくれるそうです」とのこと。
ボクは、宇宙に広がるくらいの安堵感に包まれながら、「では、明日伺いますので」と告げて電話を切ろうとしました。

ところがです。「明日は祝日ですので、やっていません」という返事。そうか。休みが続いたせいで時間感覚がなくなり、明日が勤労感謝の日だってことをすっかり忘れてた!
ボクは、「これからお伺いします!」と慌てて言い直し、病気でなまった身体に鞭を打って、彼女の元に急ぎました。

診療所に飛び込み、「よろしくお願いします」と診察券をカード入れにいれると、受付のふくよかな中年女性がすぐにそれを拾い、「あっ、先ほど電話された方ですね」とナイス・スマイル。
なんだ、電話の主は、このおばちゃんだったのかと愕然。ベテランだったら診断書ぐらい知ってろよ!と思わず胸のうちで怒りをぶつけてしまいました。

しかし、今回は具合が悪かった前回ほど大変ではありませんでしたし、40分ほどで名前が呼ばれ、スムーズに診断書をもらうことができたので、全然つらくありませんでした。
それどころか、待ち時間に読んだ、テレビでもやっている「ハーバード白熱教室」をまとめた本が面白く、もっと待ち時間がほしいと思ったくらいでした。

おかげさまで全快のお墨付きも得られたので、その足でさっそく会社に診断書を提出し、久しぶりに晴れ晴れとした気分で帰宅しました。

第四十四話 恐怖の再会

★初めての方はこちらから★

「ギース!」
指さしたその先に、最も恐れるラマ観光の添乗員ギースらしき獣の姿が見えたので、ケンシロウはバットで頭を殴られたような衝撃を受けました。

第四十四話+のコピー_convert_20131122084402


しかし、家の陰から顔を突き出していたギースもケンシロウと目が合うと動揺したらしく、大慌てで顔を引っ込めたのです。

あまりに一瞬のことでしたので、ケンシロウはあれが本当にギースだったのかどうか確信がもてませんでした。
しかし、ケンシロウにあの不祥事を口外されるのを恐れているギースが、様子をうかがうために尾行を行うのは充分あり得ることです。
そう考えると、外敵がいる野生に放り出されたヒナのように、ケンシロウは心細くなりました。

「どうしたの?」
突然バッテリーが切れたように立ち止まったケンシロウに、マリーが心配そうに声をかけます。

「いや、別に、何でもないです」
ギースのことを話すわけにもいかないので、ケンシロウはとぼけてみせました。

「何でもないって、すごい汗よ」
マリーは不審げに、ケンシロウの顔を見つめます。

ケンシロウは動揺を消し去るように、慌てて手の甲で汗をぬぐい取ると、「いや、この陽気でニット帽とネックウォーマーしているもんだから、暑くて」と誤魔化して、手うちわで顔をあおぎました。

「そうなの、でも変装しているんだから、それとるわけにもいかないしね」

「大丈夫です。我慢しますから」
ケンシロウは、まだどこかでギースが監視しているのではないかとビクビクしながらも、空元気をだして歩き出すと、その足をギースが顔をだした方角とは真逆の方向にむけました。

「ち、ちょっと、そっちじゃないわよ!」マリーは慌ててケンシロウの手をひっぱります。「道も知らないくせに、勝手にどんどん行っちゃダメ」

「あっ、すみません」ケンシロウは冷や汗を垂らしながら謝ると、「でもなんか、そっち、方角が良さそうじゃないですよ」と下手な言い訳を述べ、マリーを誘導しようとしました。

「方角って、やだアナタ、占いでもやっているの?」

「やっていません! やっていません!」
ケンシロウは、冷や汗が飛び散るくらい激しく首を振りました。
ケンシロウは占いに支配されるのが怖くて、雑誌の占いコーナーを飛ばして読むほどの小心者です。占いなんて、死んでもやる勇気はありません。

「だったら、このまま、まっすぐ行く!」
小動物のようにおびえているケンシロウの肩を、マリーは力強くたたくと、先頭に立ってズンズン歩き始めました。

前へ

次へ

★あらすじ★

長い一日の顛末

仕事に追われていると、あっという間に過ぎてしまう1日。でも状況が変われば、同じ一時間でも、その倍以上に感じられる事ってありますよね。

つい先日、そういう体験をイヤというほど味わいました。

その日は、朝からお腹の調子がよくありませんでした。
それでも無理をおして出勤。苦痛に耐えて、朝の準備をしていました。
しかし、だんだんと腹痛が重くなり、上司に事情を報告。「ノロウィルスに感染していれば、感染が拡大して大事になるから、早く病院に行って診断してもらえ」との指示を受け、早退させていただきました。

そこで向かったのは、会社に近い胃腸外科。初めて行く診療所です。
かかりつけの診療所を選ばなかった理由は、そこは内科で、感染を診断できるかどうか怪しかったから。とにかく体調は悪化していく一方で、無駄足を踏む余裕はなかったので、ホームグランドよりも確実なアウェーグランドを選んだわけです。

というわけで、恐る恐る受付に向かい、ノロウィルスの診断ができるかどうかお伺いしました。
結果は、「もちろんできます」と素っ気ないもの。いきなりアウェー感に圧倒されましたが、とりあえず一安心した次第です。

しかし、家に保険証を取りに行ったロスが影響し、時間はすでに11時近く。待合室は診察を待つ患者で満員で、とても午前中には診察を受けられそうにありません。下手をすれば、午後3時からの診察時間を待つことになる可能性も。

となれば、いったん家に帰り出直すほうが得策かも、と思案していたら、入れ替わり立ち替わりいろんな職員が、やれ問診票を書いてくれだの、やれ症状はどうだの、医師の手間をはぶく手続きをしてくるので、なかなか席を立つ決断ができません。

それにしても、待ち時間の長さと言ったら、筆舌に尽くしがたいものがあります。
ただでさえ、あまり行きたくないお医者に長居するという苦痛に加え、初めての場所という緊張感。時間がたつごとに耐えがたさが増す症状の悪化。地獄の苦痛です。

早く名前が呼ばれないかと、待合室の一番前の席に座り、目の前を行き過ぎる職員の一挙手一投足に注意を向けました。
しかし、いっこうに名前は呼ばれず、似た名字のイントロにいちいち反応し落胆するエネルギー浪費の繰り返し。これじゃ、ますます苦痛が増すばかりなので、時間のつぶし方を変えました。

で、今度は、意識を患者に方向転換。
まず目をつけたのは、息子さんに付き添われ、歩くのもやっとといった様子のおじいちゃん。自分よりつらそうな状態の人を見ることで、苦痛に耐える力をもらおうと思ったわけです。でも偉いですね。その息子さん。本当に優しくって、笑顔を絶やさず、老親をいたわる言葉をかけ続けます。同じ立場に置かれたら、自分もそのような立派な行為ができるだろうかと想うと、頭が下がるばかりで、比較して苦痛を和らげようとした自分の愚かさを恥じ入りました。

職員も患者も苦痛を和らげる効果は無いとわかったので、今度は無機質なものに意識を向けることにしました。
そこで目がいったのは、目の前の壁に貼られた医療関係の掲示物。でも、こういうたぐいのものは、見ていて気持ちがいいものないんですよね。普段目にすることがない悪化した患部の写真がのせられた掲示物であったりして、患者の恐怖心を煽るようなものばかり。

見ると、その掲示物の中にノロウィルスに関するものも含まれていてました。それによると、牡蠣が感染の要因になるとの記述。そういえば、昨晩、牡蠣の土手鍋を食べたと思い出し、ちょっとイヤな予感。
これではマイナス思考のどつぼにはまるばかりだと、普段やらない俳句でも一句ひねって気を紛らわせようと目を閉じました。

そこで出た一句がコレ。

牡蠣食えば 腹がなるなり 法隆寺

駄作の上にパクリ。自分の創作能力のなさにゲンナリして、瞑想という最終手段に入りました。

そんな悪戦苦闘で時間をつぶし、ようやく2時間半後の1時30分。ついにボクの名前が呼ばれました。
へろへろになって診察室に入ると、お医者さんの姿は見えません。
辛抱の限界を超えたボクは、あやうく医者が座る椅子に座り込もうとするほど、判断能力を失っていました。

でもじきに、温和そうな60代ぐらいの男性医師が現れ、診察が始まりました。
で、医師によると、ノロウイルスの感染結果はすぐにわかるとのこと。安堵して処置を受けると、待合室に戻りました。

それから30分ほどして、再び診察室に呼ばれました。
そこで結果報告を待っていると、小走りで現れた医師は「大丈夫でした」と明るい一声。「ああそうですか、良かったと」とボクも明るい声をあげましたが、もう一度、ネームプレート程度の大きさの検査器具を見直した医師は、「あっ、これじゃない」と叫んで、大慌てで看護婦を呼びました。

そして医師は、看護婦から別の検査器具を受けると、「ノロウィルスに感染してますね」と最悪の告知。「4,5日会社休んだほうがいいですよ」と言いました。

落胆して待合室に戻り、上司に結果を報告すると、上司もショックを受けたような様子。でも、仕方ありません。隠して被害が甚大になるまえに、早く結果がわかって良かったと受け止め方を変え、治療に専念することにしました。

人生何が起こるかわかりません。皆さんも、異常を感じたら早めの診断を。

第四十三話 変装の合意点

★初めての方はこちらから★

「なんで気に入らないの? ボディガードじゃ」
マリーは自分の提案が却下されたことが不服だったようで、眉間にしわを寄せました。

「いや、格好良いんですけどね」ケンシロウはマリーの機嫌を損ねないような言い訳を探しましたが、容易に思い浮かばずうなり声をあげました。「けど…ねぇ」

「けど、何?」
マリーの眉間にさらに深いしわが刻まれます。

ケンシロウは自分に突き刺さるその鋭い視線に耐えきれず、視線をそらして周囲を見渡します。
しかし、周囲に広がる住宅街の光景は、ピンチの状況にはまったく不釣り合いな平穏極まりないものでした。

「そうか!」
急に名答がひらめいたケンシロウは声をあげました。

「何、どうしたの?」
ケンシロウが突然あげた大声に驚いたマリーは、細い目を見開いて尋ねました。

「いや、ボディガードはやっぱりおかしいと思ったので」

「どうして?」

ケンシロウは周囲に視線をまわしながら答えました。「だって、この街、ボディガードが必要なほど危険なんですか?」

「えっ」マリーも、小鳥のけんかすら見つからない平和な光景を見回します。「それは、そうね…」

「でしょ」とケンシロウ。

「本当」とマリー。
二人は目を合わせると、思わず吹きだし、周囲の静寂をやぶるような笑い声をたてました。

「だったら、どういう設定にする?」
マリーは目尻にたまった涙を手の甲でぬぐいながら尋ねます。

「そうですね」ケンシロウもサングラスの下から涙をぬぐいながら、ふと思い浮かんだ名案をあかしました。「どストレートな理由でいいんじゃないでしょうか」

「どストレートって、アナタが地球から来たってことを正直に話すって事?」

「まさか! 違いますよ」
勘の悪いマリーに少しいらだち、ケンシロウは切れ気味の口調で否定しました。

「だったら、何なのよ」
回りくどいケンシロウの言い方が気に入らなかったのか、マリーもいらだったように正解を求めてきます。

「だから、ボクらは、これから農作業にいくんでしょ」ケンシロウは理解力のない幼子に説明するように、ゆっくりと正解を説明し始めました。「だったら、ボクを農業実習生という設定にすれば、無理がないんじゃないんですか?」

第四十三話+のコピー_convert_20131121092209


「あっ、そうか!」マリーは両手をはたいて歓声をあげます。「それ、グッド・アイデア!」

「ねっ、それでいきましょう!」
自分のアイデアで合意点が決まったことに安堵したケンシロウは、先を急ぎましょうとばかりに、勢いよく右手の人差し指を行く手に向けました。
と、その時でした。行く手に見覚えのある人影(獣影?)がみえました。

「どうしたの?」
急に表情がこわばったケンシロウにマリーが尋ねます。

「やっぱり必要かも、ボディガード…」とケンシロウは声をふるわせ、その後聞き取れないほどの小さな声で言いました。「ボクに…」

前へ

次へ

★あらすじ★

ファーストキス

誰にでもありますよね。甘酸っぱい初恋の思い出。
そこで今回はファーストキスをテーマに4コマ漫画を描いてみました。

ファーストキス+のコピー_convert_20131120212837

アルパカモーターショー

東京モーターショーがいよいよ開催されますね。

自動車好きのボクとしては、とても関心があります。
事前の情報から、とくに注目しているのは、レクサスRC。そのまま市販されてもいいような完成度で、とても格好いいんです。

それにしても、さらに進んだ未来のクルマって、どうなるんですかね。

車輪なんてヤボなものはついていない宙に浮くクルマになるんでしょうか。

もちろん現在の技術でも開発可能な自動運転がフツーになるんでしょうね。そうなれば、運転席なんて不要になるので、席のレイアウトも自由。自宅のいるときのように、寝転がって大画面のカーテレビやネットなどを楽しむことが可能になるかも。

動力源も道路など車外からとるようにしたら、どうでしょう。エンジンを積む必要がなくなるので、室内はとても広くなり、ますますマイルームに近づくはずです。

車内に入るドアも、思い切って後部の一箇所だけにすれば、邪魔な仕切りもなくなり、パノラマビュー。ドライブが更に楽しくなることうけ合いです(こりゃますます動く家だぁ)。

そんな期待を込めて、アルパカモーターショーに夢の車を出展してみました。

ミニバス+のコピー_convert_20131120152329


第四十二話 二人の関係

★初めての方はこちらから★

「でも」とマリーは言いました。「確かに、おじいちゃんの若い頃には似なくなったけど、知り合いに見られたら、どう思われるかしらね。つまり…ワタシが、こんな若くてステキな人と歩いていたら」

「それは、不倫していると誤解されるということですか?」

「そう」マリーはオレンジ色の顔を赤らめました。「困っちゃうわ」

「いやいや、それはないでしょ」
ケンシロウは身震いをしながら首を激しく振りました。

「どうして? アナタ熟女嫌い?」
マリーは、パーマがかかった白髪頭をかきあげてウインクしてみせました。

「熟女って…」ケンシロウはめまいがしてきました。「やっぱり並んで歩くのやめましょうか?」

「う~ん」マリーはちょっと思案してから答えました。「それもいいかも」

「えっ?」

「じゃ、ワタシ、アナタの一歩前を歩くことにするわ」戸惑っているケンシロウの前に、マリーはポンと身体を移動させると、唐突に歩き始めました。「さぁ早く、予行演習するわよ」

「はぁ…」訳がわからないながらも、マリーに急かされてその後をついていくと、「ダメ! 離れすぎ。ワタシの一歩後ろと言ったでしょ」マリーの叱責が飛んできました。

「ちょ、ちょっと待ってください。何なんですか、コレ?」

「ボディガードに決まっているじゃない」
そんなこともわからないのとでもいうように、マリーはため息をついて答えました。

「ボ、ボディガード…」

「そうよ。かよわい女性の一歩後ろに、サングラスをかけたたくましい男がついているとなれば、ボディガード以外の何に見えるというの」

第四十二話+のコピー_convert_20131117190333

「…」
言葉を失うケンシロウの脳裏に、むかし観たケビン・コスナー主演の映画『ボディガード』の情景が蘇ってきました。
じゃ、ボクがケビン・コスナーでマリーがホイットニー・ヒューストンってわけ? ボクがケビンというのはわかるけど、マリーがホイットニーというのは無理があるでしょ。

「どう? いいアイデアでしょ」
マリーは得意げな笑みを浮かべてケンシロウに尋ねました。

「いやぁ、それは…」ケンシロウは言葉につまりながら答えました。「別な設定にしません?」

前へ

次へ

★あらすじ★


体調絶不調

寒さが身にしみる季節になっております。
それが影響したのか、職場に風邪を引いている人が多いのが原因か、よくわかりませんが、今朝急に体調を崩し、会社を早引けしました。
現在、体温37.8度。
4,5日ろくな投稿ができないかもしれませんが、今は体調を整えることを優先したいと思います。
皆様もお気をつけて。

リトル

リトル+のコピー_convert_20131118184905

リトル

プレスの息子。
ケンシロウのことをペットと勘違いし、それに腹を立てたケンシロウに威かされる。それがトラウマとなり、ケンシロウを見ると怯えるようになる。

青空と同じ、5歳。アルパカ星人。記者である父に似て好奇心旺盛な男の子。



修行の鬼


修行の鬼+のコピー_convert_20131117102424

イルミネーション通り

クリスマスが近づき、イルミネーションで飾る家が増えてきました。夢があっていいですね。
そこで今回は、イルミネーションをテーマに4コマ漫画を描いてみました。


イルミネーション通り+new_convert_20131116163406

ペンタブに四苦八苦

「アルパカ星へようこそ」の投稿をメインに進めていきたいと思いつつ、4コマ漫画の投稿がそれを上回る勢いで増えていて、これではいけないなと思う今日このごろです。

にも関わらず、4コマ漫画に熱をあげる理由は、二点あります。
まず、趣味の絵の技術を上達させたいという意図が一点。
もう一点は、4コマ漫画ほど物語の基本である「起承転結」の技術を上達させる訓練になるものはないということです。

4コマ漫画は、ペンタブ、つまりワコムのペンタブレットをつかって描いているのすが、これがなかなか大変。紙に直接書くのと違い、ディスプレイ画面(ディスクトップを使っています。ペンタブでの使い勝手は、ノートパソコンより、圧倒的にディスクトップのほうが勝るからです)を見ながらの作業は、思った通りのラインを描くことは容易なことではありません。

従って、ペンタブを使いこなすには、「慣れ」しか、当てにできるものはないことになります。
というわけで、4コマ漫画が上達への近道だと考えるわけです。

でも本当のところ、元来絵を描くのが好きで、日中のストレス発散もかねて、そっちに逃げているんですけどね。

コスプレ対決?

つい最近の実体験を着想にした4コマ漫画です。
色々ありますね。

コスプレ対決+のコピー_convert_20131114204520

登場人物一覧

ケンシロウ=トラブルに巻き込まれ、アルパカ星で暮らすはめになったダメンズ。地球人。25歳

そよ風=地球旅行でのトラブルがきっかけでケンシロウの世話をするはめになったアルパカ星人。オス。38歳。

ミント=そよ風の妻。33歳。

リーフ=そよ風の父。66歳。

マリー=そよ風の母。63歳。

アルト=そよ風の長女。14歳。

青空=そよ風の長男。5歳。

ギース=ラマ観光の添乗員。地球旅行でのトラブルの発覚を恐れてケンシロウを監視している。ラマ星人。オス。44歳。

プレス=アルパカ市民新聞記者。オス。35歳。

リトル=プレスの息子。5歳。

ローズ=ケンシロウが思いを寄せる美女。22歳。

ブラウン=ローズの父。55歳。

役者魂

北海道などから初雪の知らせが届く季節になりました。
雪というと、ボクは「おしん」のあの有名な母子の別れのシーンを思い出してしまいます。
それにしても雪の舞うなか、演ずるのは並大抵のことでないでしょうね。役者魂がなければ、できるものではありません。
そこで今回は、役者魂をテーマに4コマ漫画を描いてみました。

役者魂+のコピー_convert_20131111210252

無愛想なタクシー

1年がたつのは早いもの。もう来月は師走。忘年会シーズンです。タクシーのお世話になる機会も増えるんでしょうね。
そこで今回は、タクシーをテーマに4コマ漫画を描いてみました。

無愛想なタクシー+のコピー_convert_20131110162353

第四十一話 永遠の愛

★初めての方はこちらから★

自分の変装時の風貌がリーフの若い頃に似ていたという理由で、マリーの様子がかわったことを知ったケンシロウでしたが、それでなぜ冷たい態度をとったかまでは理解できませんでした。

「もしかしてだけど、もしかしてだけど」ケンシロウは脳裏によぎった推理を、お得意のパクリ芸を使って訊きました。「オレに惚れたんじゃないの?」

マリーはプッと吹き出し、「そんなわけないじゃないの」

「えっ、違うんですか」あっさり否定されたことに、ケンシロウの自尊心は傷つきました。フラれ慣れているケンシロウでも、老婆にまでフラれる屈辱を味わったのは今回が初めてだったからです。「でも、ボクを見て、青春を思い出しちゃったんでしょ。それでボクを意識して、恋に落ちるのを振り切るために、並んで歩くのを避けたんじゃないんですか?」

「まぁ、意識したのは確かだけど」マリーは頷きましたが、すぐにそれを打ち消すように首を横に振りました。「でも、不倫になるのを恐れて、逃げたわけではないわ」

「だったら何で…」

「おじいちゃんに悪いと思ったからよ」

「悪い、何がですか?」

「だって、昔は良かったなんて思うことは、今のおじいちゃんを否定することになっちゃうもの」マリーは本来の円満な笑顔を取り戻すと、ニットキャップをケンシロウに返しました。「若い頃のおじいちゃんも好きだけど、今のおじいちゃんも好きよ。たとえ、ワタシのことが誰だかわからなくなっちゃう時が来ても、ずっと愛し続けるわ」

「素敵ですね」
ケンシロウから、そんな素直な感想が自然と出ました。
マリーの体温であたたまったニットキャップから、マリーの心の温もりまでも伝わってくるように感じられたからです。

「そうよ。だから浮気なんてありえない。わかった?」

「はい」
ケンシロウは自分に魅力がなくてフラれたわけでないことを知り、心の傷も癒えました。

「さ、じゃ早くその帽子をかぶって。変装しないと、記者さんとの約束守れないわよ」

「そ、そうですね」
ケンシロウはその助言に従い、急いでニットキャップをかぶりかけましたが、ふと、何かを思いついたような表情を浮かべ、再びそれを脱ぎました。

「どうしたの?」とマリーが訊くと、ケンシロウは「これとっちゃいましょう」と言って、ニットキャップのてっぺんについた一本毛を抜きました。
それから「これも、これも、とちゃいましょう」と言って、サングラスについた眉毛と、マスクについたチョビ髭も外しました。
そしてニットキャップなどをかぶり直すと、「これでどうです? リーフには見えないでしょう?」とマリーに尋ねました。

第四十一話+のコピー_convert_20131110073402

「そうね。見えないわ」
マリーもケンシロウのマネをして、頭上に両手を回し、OKの円を描きました。

前へ

次へ

★あらすじ★

第四十話 豹変の理由

★初めての方はこちらから★

「どうしたんですか?」
ケンシロウは、いきなり早足で歩き始めたマリーにやっとのことで追いつき、そう尋ねました。

「…」
マリーはその声に反応し、少し顔を後ろに回しかけましたが、すぐに前に向き直ると、ケンシロウを振り切るようにさらに歩調を早めました。

「さっき、ボクが失礼なことを言ったから怒っているんですか?」息を切らしながらケンシロウは後ろから質問を投げます。「だから、あれは誤解だと-」

「ち、違うの」マリーは急停止すると、くるりと振り返りました。「そうじゃないの」

「じゃ、何なんです?」

「別に何でもないのよ。気にしないで」
マリーは目を伏せ、再びケンシロウから背を向けようとします。

「待って!」そうはさせまいと、ケンシロウはマリーの両肩をガッシリつかみます。「ワケを話してください」

「離して!」その手を振り払おうと、激しく両肩を揺さぶるマリー。

「イヤです!」その必死の抵抗に負けじと、ケンシロウは両腕にさらに力を込めます。「ワケを話してくれるまで、離しません」

「やめて!」
老人とは思えない怪力で、マリーはケンシロウの両手首をつかむと、それをひねりあげました。

「イテテ」
たまらず両手を離すケンシロウ。

「あっ、ごめんなさい」
マリーは、慌てて手を離します。

「わかった。こんな格好をしているボクと歩きたくないんでしょう!」ついに堪忍袋の緒が切れたケンシロウは、ニット帽を脱ぎ捨てると、地面に落ちたニット帽を足で踏みにじり始めました。「ボクだってイヤですよ。こんな格好で歩くの」

「やめて、かわいそう!」
マリーはケンシロウの足に体当たりして帽子を奪い取ると、それを我が子のように優しく抱きしめました。

「かわいそう?」ケンシロウはサングラスを持ちあげると、目を丸くしてマリーを見ます。「その帽子が?」

「帽子だけじゃないわ」ずっと変装姿のケンシロウから目をそらしていたマリーは、はじめてケンシロウとしっかり視線を合わせました。「そのサングラスも、そのマスクもよ。ワタシの大切な思い出を汚さないで」

「なんで? いやいや、まったく意味がわからない」ケンシロウは、お手上げといった感じで両手をあげました。「I don't understand why」

「似てたのよ」ケンシロウを見つめているマリーの目が潤み始めました。「変装をしていたときのアナタの姿が、おじいさんの若い頃に」

「おじいさんて、リーフのこと?」

「そうよ。おじいさんと、よくこの通りをデートしたものよ」マリーは潤るんだ瞳で遠くを見ます。「アナタとここを歩いていて急に蘇ってきたの、若い頃のあの日々が」

第四十話+のコピー_convert_20131104094609

前へ

次へ

★あらすじ★

プレス

プレス+のコピー_convert_20131108202009

プレス

アルパカ市民新聞の記者。
初めて外出したケンシロウに一番最初に遭遇したアルパカ星人。
初めはケンシロウをペットだと誤解していたが、彼が地球人であることを知り、この特ダネを逃すまいと記者魂に燃えている。
35歳。仕事人間だが、子煩悩な良い父親でもある。

北風のリベンジ

北風の冷たい冬が近づいてきました。
こんな季節は、早く家に入って温もりたいものです。
そこで今回は「北風と太陽」をテーマに4コマ漫画を描いてみました。

北風のリベンジ+のコピー_convert_20131107202616

たのしくクラシック音楽通になれる番組

同僚には秘密にしているんですけど、実はワタクシ、クラッシック音楽に2,3年前から関心をもちはじめました。

そのきっかけをつくってくれたのは、あるラジオ番組です。
いや、正直に言いましょう。きっかけをつくってくれたのは、そのラジオ番組にでていたある女性ソプラノ歌手です。

彼女の名前は、幸田浩子さん。東京芸術大学声楽科を首席で卒業し、国内のみならず国際的にも活躍。けっこうテレビにも出演されているので(例えば、BSフジ毎週水曜日夜11:00~11:30「レシピ・アン」)、顔を見れば、あっ、この人か! とわかる人も多いかと思います。

幸田さんとの出会いは、新聞広告。その広告は近くの文化会館で彼女のコンサートが開かれるというものでしたが、それに載っていた天使のような容姿に一目惚れし、近くのコンビニでチケットを即ゲットしたという次第です。

そういう流れから、幸田さんがNHK・FMの「気ままにクラッシック」というラジオ番組のパーソナリティを笑福亭笑瓶さんと務められていることを知り、愛聴するようになったわけです。

こういう不純な動機から、クラッシックに興味をもちはじめたので、胸を張って同僚にこの趣味を公表できないという訳なんですね。

でも、この番組とてもおもしろいです。
昔、ドレミファドンというイントロで曲名をあてるクイズ番組がありましたが、それをクラッシック音楽に応用した「きまクラドン」なんていうコーナーもありますし、お二人のトークも愉快。堅苦しさはまったくなく、知らないうちにクラッシック音楽に詳しくなれますよ。

ただ、残念なのは、この番組が終わってしまったという点(残念というより、それじゃ紹介の意味ないじゃん)。

でも、ご安心。今は、「きらクラ!」という番組が継承しています。
パーソナリティは幸田さんではありませんが、番組のスタイルはそんなにかわっていないので、けっこう楽しめますよ。

効能なき名湯

日ごと寒さが増し、体の芯まであたたまる温泉に浸かりたくなる季節になってきました。
そこで今回は、温泉をテーマに4コマ漫画描いてみました。

効能なき名湯+のコピー_convert_20131105202551

無個性な髪型

歳を取ると、どの若者も同じように見えてきて、つい、苦言を吐きがちになるようです。
そこで今回は「無個性な髪型」をテーマに4コマ漫画を描いてみました。


無個性な髪型+のコピー_convert_20131104065737

Nexus7をブロガー向けの最強モバイルにする秘策

最近、最新のNexus7を購入しました。
アップル社のRetinaディスプレイに負けないくらい画面がきれいで、サクサクと快適に動き、グーグル社の使えるアプリも多いという理由から衝動買いしたのですが、手に入れると、あまり使う機会がないんですよね。

なぜなのかと考えてみると、文章を打つにはパソコンのほうが快適だし、寝ながら見るにはスマホに勝るものはないということで、なかなか出番がないのです。要は、中途半端なんですなぁ~。

そういう劣勢にありながら、あえて勝ち目がある点をあげるとすれば、外出先でちょっと長めの文章を仕上げたい時に、使えるという点ではないでしょうか。

Nexus7は、パソコンに比べて圧倒的にコンパクトで軽い。けっこうバッテリーも持ちます。文章を打つにも、画面の小さいスマホよりずっと打ちやすい。
つまりブロガーが、外出先でパソコン代わりに使うには最適なマシンになる可能性を秘めていると思うのです。

さらにその長所を強化する、ツールを本日、手に入れました。

それは、マグレックス社から出ているキーボード付きのレザーケースです。

値段は、8470円。ブルートゥースでキーボードを操るのですが、やはりキーボードによるキータッチは、タッチパネルによるキータッチより遙かに打ちやすいです。
それに、キーボードの表示で画面が邪魔されることがないので、長文を確認しながら打つ作業がとてもやりやすくなります。

確かに、モバイルの王様であるUltrabookに比べれば、敵わない部分が多いでしょう。
しかしUltrabookは、普通のノートパソコンより高額なものが多く、気軽に購入できるものではありません。それに比べ、Nexus7は、このキーボードとあわせて購入しても4万以内に収まるのです。

Wi-Fiしか使えなくても、オフラインでも使えるグーグルドライブで文章を入力して、あとでそれをブログに貼り付けて投稿すれば、けっこう作業の効率化が図れるのではないでしょうか。


bad Jobs

昨晩、映画「スティーブ・ジョブズ」を観にシネコンに行って参りました(昨日が公開日です!)。

仕事が終わってからなので、21時15分と上映時間としては一番遅い開始時刻になってしまいました。

しかし、1日は割引料金で観られるファーストデーということを知り、超ラッキー。
そういうこともあってか、こんな遅い時間なのに、けっこう賑やかでした(花金ですしね。でも、特にカップルが多く、仕事帰りにぶらっと一人できた自分、なんだが肩身が狭い~)。

でも、まっ、いいや。映画は一人で観るに限る。隣を気にせず、集中して観られるから、と気持ちを切り替え、今のうちにとトイレで用を済まし、ホールに戻ってきたときのことです。

お会いしたくない人物の顔が、フードコーナーに並んでいるのが目に飛び込んできました。

アンラッキー…。
ボクは、とっさに顔をそむけました。

その人は、うちの会社のコストダウン特命課の部長さんで、コストダウンのために設備も人員も容赦なく削っていくという、現場の人間にとっては、敵の様な存在(まぁ、それが彼の仕事だから仕方ないんですけどね)。
そんなわけで、過酷な現場(彼がつくりだした?)から解放された外では、お会いしたくない人物ベスト1の存在なのです。

となれば、一刻も早く避難するのが得策。大急ぎで、二階の上映会場に駆け込みました。
それからシェルターである、指定された座席につくと、ようやく人心地。

でも、一瞬、顔が見られたような気もするので、ちょっと心配。挨拶もしないで逃げたと思われれば、連休明けには倍返しが待っているかも。そう考えると、映画を楽しむどころの気分ではなくなってきました。

しかし、見破られていないだろうと自信を深める、救いもありました。
それは、字幕の字をよく読めるようにと普段はしない眼鏡をかけていたということと、ハンチングキャップを目深にかぶっていたということです。これでマスクをしていれば、完璧に変装できたのでしょうが、まあそれでも、それなりに正体を隠す効果はあったでしょう。

ところが、ホッとしているのも束の間。
薄暗がりの階段を昇ってくる人影に嫌なオーラを感じ、警戒してさらに深くかぶったハンチングキャップの下からその人物を確かめると、やっぱり特命課の部長さん。さらに驚いたことに、その後には、ポップコーンをもった同課の若手のホープがついてくるじゃあーりませんか。

こっちへくるな!
ボクは祈りながら顔を伏せ、さらに変装を厳重にするために手で口を覆いました。

しかし、二人はなんとボクと同列の二席おいたシートに着席。
マジかよ!
これでは映画を楽しむどころではありません(一人で鑑賞するメリットまるでナシ!)。

それにしても、なんで山ほど空席があるのに、よりによってそこなんだよ!
ボクの怒りの矛先は、こんなリスキーな座席の指定の仕方をした切符売り場のおねえさんに向かいました。

それから1時間。彫像にでもなったように、顔をそむけた姿勢を維持しながら映画を観ていましたが、さすがに首が痛くなってきました。
それで小さく首をコキコキとほぐしながら、怖いもの見たさで目の端でちらりと二人に目をやると、映画をはるかに上回る衝撃的な映像をキャッチしてしまいました。

なんと、部長の肩に若手のホープが頭を傾け、二人で仲良くポップコーンをつまんでいるじゃないですか!
えっ、ひょっとして、そういう関係?

たまたまそう見えただけということであればいいのですが、ともかくも居心地はさらに悪化しました。

BADジョブズ+のコピー_convert_20131102091939

それ以後の時間は苦行のようでした。

ジョブズが、自分の気に入らない部下を次々と冷酷に切っていく様は、こんな現場に居合わせ、いつ正体がばれるかヒヤヒヤしているボクにとっては他人事には思えません。

こんな事が無ければ、Goodジョブズで終わったのでしょうが、その時の感想は、badジョブズでしかありませんでした。

だから映画が終わり、エンディングテーマが流れ始めると、未練もなく、怪しまれない退席を装いながら、しかし足早に場外に逃げました。

夜風が冷たい季節だというのに、冷や汗でシャツはビッショ。風邪を引かないように、ニンニクのたっぷりきいたラーメンを食べて帰りました。

スティーブ・ジョブズ観に行きます

これから映画、「スティーブ・ジョブズ」観に行こうと思います。
それだけです。
久々のツッコミいきます。ツイッターか!
10 | 2013/11 | 12
Su Mo Tu We Th Fr Sa
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール

マウントエレファント

Author:マウントエレファント
アルパカとバラとスプリング、つまり春(おまえはルー大柴か)を愛するナイスミドル?なサラリーマンです。でも同僚には、そんな趣味、ばらしません。キモイっていわれますから。残念!(古っ!)

にほんブログ村
ランキングに参加しています。投票していただけると励みになります。
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 にほんブログ村 小説ブログ SF小説へ
にほんブログ村 にほんブログ村 イラストブログ 挿絵へ
にほんブログ村 にほんブログ村 漫画ブログ 4コマ漫画へ
にほんブログ村
人気ブログランキング
ランキングに参加しています。投票していただけると励みになります。
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
小説・文学
325位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
SF
2位
アクセスランキングを見る>>
最新記事
カテゴリ
英検準1級単語ドリル 黒猫版
日々の努力が実を結ぶ

計算×50
頭の体操にどうぞ
名言
不安な明日も先人の励ましで乗りきりましょう

地球の名言 -名言集-

最新コメント
お気軽にコメントをどうぞ
月別アーカイブ
アクセスカウンター
リンク
リンクフリーです
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

検索フォーム
QRコード
QR
RSSリンクの表示
最新トラックバック
カテゴリ