ビデオレター

いつこんな番組を録画したのだろう。
ブルーレイディスクに録画したまま見ないでいためていた番組の整理をしていたら、録画した記憶のない番組を見つけてしまったのだ。

その番組の内容を確認するために再生してみた。

すると、いきなりシルバー色の皮膚のやたら目の大きな気味の悪い生物がでてきた。

SF映画でも録画したのかと思い見続ける。

その生物はカメラに向かって、訳の分からない言語で一方的に話すと、くるりと振り返り、細長いカプセルのようなものの方に進んだ。

カプセルの周りには、同じ外形の生物が3匹取り囲んでいた。

最初に画面にでた生物は、そのうちの一匹に命じてカプセルを開けさせた。

「あっ!」
カプセル内を見て、ボクは目を疑った。

なんと、そのカプセル内には、一週間前に別れた彼女が、まるで冷凍保存でもされているかのような冷たい表情で寝ていたからだ。

その彼女とは、半年つきあった。
手足がすらりと長く、小さい顔に愛くるしい大きな瞳をもった、とても魅力的な女性だった。

ボクはとても彼女を愛した。
彼女はとても温和な性格で、けんか一つしたことがなかった。
そう、一週間前までは…。

そのけんかは、唐突に始まった。
映画を見た後、食事にでもいこうと、いつものように仲良く手をつないで歩いていたら、いきなり彼女がボクの手を振り払い、「その手きちんと洗っている?」と言ったのだ。

ボクは戸惑い、「もちろん洗っているさ」と答えた。

すると、彼女は「ウソ! 映画を見た後にトイレにいって以来、ずっと洗っていないじゃない!」とヒステリックな声をあげた。

確かに、それは事実だった。
しかしそのあと、トイレには行っていない。汚いものを触ったわけでもない。常識的に考えてみても、手を洗う必要はないはずだ。
なのに、なんでそんなことを言うのか?
ボクは彼女を冷静にさせようと、その事実を優しく説明した。

しかし、彼女の気は静まらなかった。

いつから彼女はそんなに潔癖症になったのか? 
いっこうに止む気配のない彼女の暴言を受け続け、ついにボクの堪忍袋の緒が切れた。

「そんなにオレが汚いと思うなら、オレと別れればいい!」とボクがキレると、彼女は未練もみせず、「そうね。これでさっぱりするわ。サヨウナラ」と返し、ボクの前から去って行った。

それ以来、彼女とは連絡をとっていない。

その彼女が、目の前のテレビに映っているのである。

ボクはいまでも彼女を愛している。できることなら、もう一度やり直したいと思ってもいる。
そんな愛しい彼女が、宇宙人に捕らえられ、カプセルのなかで仰向けで寝かされているのだ。

もしかして、とボクは思った。もしかして、彼女が急に豹変してしまったのは、宇宙人に何かされたからではないか…。
きっと、そうだとボクは確信した。彼女を助けなければ。

でも、どうやって助ければいいのだ。彼女がどこにいるのかもわからない。
何か、場所を特定する手がかりになるものはないかと、ボクはテレビ画面に顔を近づけた。

すると、テレビに映った彼女の顔もクローズアップされ、いきなり彼女は目を開けた。

「良かった。生きていた!」
ボクは安堵の声をあげた。

すると、彼女は半身を起こし、お姫様のように宇宙人の手を借りながらカプセルから出ると、最初に画面に映った宇宙人に言った。
「これで完全に消毒されたわね。いくら調査のためとはいえ、耐えられなかったわ。もう、地球は汚染されていてこりごりよ」と。



スポンサーサイト

ゆとりのマイナス

「くそ~っ、分かんねぇや!」
30分ほど入力作業をしていたオレは、ついに音を上げた。

オレはいま、任されて日が浅い資材の発注をしている。

これがなかなかやっかいなのだ。

資材の種類が多いうえに、生産計画がコロコロかわるからだ。
それに、リードタイム(発注から納品までに必要な時間)の関係から、生産計画がでる前にそれを予測して発注しなければならない資材もけっこうある(そんなのわかるくらいなら、馬券も全部当たるわ!)。

入力量だけでもけっこう時間がかかるのに、こんな当たらぬ予測に悩んでいたらいくら時間があっても足りない。
この作業ばかりに時間を割いてられるほど暇ではないので、気の焦りから頭も回らなくなってくる。

そんなこんなで精度の高い発注ができず、倉庫は入りきれないほどの在庫の山になってしまっている。
資材が足らないよりはマシだと思い、ついつい多めの発注をしてしまうからだ。
もちろん、こんな有様になれば、上司や倉庫を管理するリフトマンから苦情を言われる。

しかしグズグズしていると、発注締切り時刻の14:00が近づいてくる。
オレは結局、怒られるのを覚悟で、いつものように少し多めの発注をした。

オレは現場にもどると、深いため息をついた。

すると、年配の同僚がそれに気がついて、「どうしたい?」と声をかけてきた。

それでオレは、彼に発注作業の悩みを打ち明けた。

「それは大変だね」と彼は、同情を寄せてくれた。

「本当ですよ。神経を使いすぎるせいで、夜もよく眠れないし…」
無理難題を言われ、怒られてばかりの毎日だったので、話をわかってくれる人がいたことにオレは思わず涙ぐむ。
そしてさらに甘えて、「マイナスなことばかりで、イヤになってしまいますよ」と愚痴をこぼした。

すると、彼はこう言った。
「そうだね。でも、いいことだってあるんじゃないかい?」

「そりゃ、ありますよ」とオレは答えながら、趣味の釣りやゴルフを思い出した。「でも、ストレスが大きすぎて、何も楽しめないんですよ」

「そうかね。でもオレは、人生、プラスもマイナスも必要だと思うな」

「なんでですか?」

オレが尋ねると、彼は手招きをして、オレを倉庫のほうへ連れて行った。
倉庫には所狭しと資材が置かれていて、まるで余裕のないオレの心のなかのようだ。
このことで悩んでいるのに、なんで彼はこんな場所にオレを連れてきたのか。理解できなかったし、その無神経さに少し腹も立ってきた。

そんなオレの心中も知らずに、彼は温和な口調を崩さずに言った。
「これを見て、どう思うかね?」

「どうって」とオレはトゲトゲしく答えた。「はやく資材が減って、ゆとりが出ればいいと思うに決まっているじゃないですか」

「だよな」彼は柔和な表情で頷く。「資材が減ることはマイナスだけど、マイナスがあるから倉庫にゆとりが生まれる。逆に、プラスがいいからって、プラスばかりじゃ、いつかパンクしてしまうものじゃよ。人生も同じじゃないかね。プラスもあってマイナスもあって、うまくバランスがとれていくってもんさ」

そうか、とオレは気がついた。
目前の倉庫に身動きがとれないくらい積まれた資材の山は、在庫切れを心配するあまり、マイナスよりプラスのほうがいいとオレが選択しつづけた結果なのだ。
そしてそれが結果的に、倉庫だけでく、自分の心のゆとりまでも奪うことになってしまったのである。

「マイナスにもプラスと同じくらいの意味がある」
この学びを仕事だけでなく、人生においても取り入れてみようと思ったら、すこし気が楽になってきた。

「ありがとうございました」
オレは笑顔で彼に礼をすると、在庫の山に背を向けた。




誰のせい

健康だけが取り柄と言われたオレだったが、年をとったせいか、このところ胃の具合が悪い。
食欲もわかないので、30年ぶりぐらいに近所の医者に行った。

驚いたことに、まだ老先生は現役で働いていた。
もう90近いだろうが、よくフルタイムで働けるものだ。

しかし、さすがに声も肌も昔のようなハリはない。
オレが、病状を伝えても、何度も聞き返してくるくらい耳も遠い。
だんだん、オレはいら立ってきて、ここにかかったのを間違えたと思い始めた。

しかし老先生はマイペースで問診をつづけ、血圧をはかるなど検査を行った。
患者が少ない割に、やけに待ち時間が長いと思ったが、これが原因だったのか。

ようやく診断が終わると、よく聞き取れない声で診断結果を告げられ、待合室で会計を済ますよう促された。

こんなわけのわからない診断で半日がつぶれ、よけいクタクタになったオレは、会計を済ますと、そこで渡された診療費やら処方箋やらの明細書をよく確かめもせず、隣の薬局に向かった。

すると、そこで思いもしないほど、多くの薬を渡された。

そんな重病だったのかと驚いて、薬と一緒に手渡された薬の説明表を読むと、血圧を下げるのに効く薬だの、不眠に効く薬だの、精神を安定させる薬だの、オレの訴えた症状に関係ない薬ばかり処方されており、肝心な胃痛に効く薬の説明はどこを探してもなかった。

よくもこんなデタラメな診断をしてくれたなと、オレは再びいら立ってきた。

その様子をみた薬剤師は、オレに優しく声をかけてきた。
「だいぶ、お辛いようですね。どうぞ、お大事に」


月夜の特訓

そのカエルは、一緒に生まれた6人兄弟のなかで、いちばん体が小さく気も小さかったです。
そのため、いつもいじめられ、ますます臆病者になっていきました。

しかし、兄弟のなかでただ一匹、彼をかばってくれるカエルがいました。

そのカエルは弟に自信を持たせるために、こう言いました。
「ミゲルは、頑張ればジャンプ力は誰にも負けないものになるはずだ。だから、一生懸命、ジャンプの訓練をして、いつかカエル村でやっているジャンプ大会で優勝してみせるんだ」

カエル村でやっているジャンプ大会とは、陸地からカエル池という池にむかってジャンプして、どこまで遠く飛べるか競うというものです。
その大会には、カエル村の脚力自慢のカエルたちが参加します。
もちろん、ミゲルの兄弟たちもその大会に出場することをめざしていたのでした。

しかし、ミゲルは自分にはとても無理だと思っていましたので、参加する気ははじめからありませんでした。
だから兄のキュエルに弱音を吐きました。
「ボクはいいよ。出ても恥をかくだけだから」

しかしキュエルは、あきらめませんでした。たとえ参加するだけに終わっても、日々努力することで、かわいい弟の体も心も強くなると思っていたからです。
「ボクが、ジャンプの仕方を教えるから、頑張ろうよ」

しかし、カエル池には岩が何カ所も突き出ていて、下手をすると大けがをしかねません。その恐怖を想像すると、ミゲルは震え上がりました。
「でも、怖いよ。もし失敗したら、死んじゃうかもしれないもん」

「大丈夫だ。最初は、安全な池で練習するから」

「本当?」

「本当だとも」

キュエルのミゲルへの特訓は、その翌日から始まりました。
キュエルのミゲルへの献身ぶりはすごいものでした。
ミゲルに体力をつけさせるために、自分の食べ物を分けてやったり、自分のトレーニングは後回しにして、練習環境に恵まれた昼間はずっとミゲルのトレーニングにつきあってくれたのです。

そんな特訓が、1年ほど続くと、ミゲルは体が大きくなり、ジャンプ力もかなりついてきました。
そのかわり、キュエルはどんどんやせ細り、体力が衰えていったのです。
そして、ついにキュエルはミゲルが初参加するジャンプ大会の一週間前に亡くなりました。

唯一の味方だったキュエルが亡くなり、ミゲルはひどく落ち込みました。
食事も喉に通らなくなり、とても大会に参加する気分にはなれません。
そしてついに自分もキュエルの後を追おうと、真夜中、誰もいないカエル池に行きました。

その晩は、お月様がとてもきれいで、カエル池は明るい月影で照らされていました。
その池に身を投げようと、カエル池に自分の顔を映したとき、ミゲルは驚きました。
食欲がなくなってやせかけた自分の顔が、元気だった頃のキュエルの顔にとても似ていたからです。

「兄さん」
ミゲルは思わずその顔に呼びかけました。

すると、池に映ったその顔は、「頑張れ」と答えました。

それで、ミゲルは自分は死んではいけないのだと気がつきました。
自分が大会に参加する前に死んでしまったら、兄さんの努力を無駄にしてしまうと思ったからです。

大会は、明日開かれます。
ミゲルは、一週間休んだ練習を取り戻すかのように、朝までカエル池で実践トレーニングを繰り返しました。カエル池に映ったキュエル兄さんに励まされながら…。

そしてついに大会が始まりました。

ミゲルの順番は、一番最後でした。
ミゲルの兄弟をはじめ皆、すごいジャンプをしましたが、ミゲルは少しも動揺しませんでした。

弱気な自分がどうしてこんなに落ち着いていられるのか不思議に思うくらい、静かな心で順番をまち、そして自分の番がくると、堂々とした足取りでジャンプ台に向かいました。
そして、キュエル兄さんへの感謝をこめて、あらん限りの力でジャンプをしたのです。誰よりも遠くに…。

雪道の弱者

いきなり目の前に、パッと何かが舞い落ちてきた。
「またか!」
オレは、舌打ちをした。
この数時間、何度も繰り返されていることなので、こんなハプニングなどすっかり慣れてしまった。
「今更、驚かねぇよ!」と独り言をぶつけたが、ギョッとした。

オレの愛車のボンネットの上に舞い降りたソレが、ワイパーが動いたと同時に舞い上がったからだ。
ソレが前の車の屋根に飛び移ったところで、ようやくソレがなんであるか分かった。

ソレは、鳩だった。
オレは、てっきり電線から落ちた雪だと思っていた。

「しかし、うらやましいぜ。鳥は自由に空を飛べて」

オレは今、大雪の影響で6時間近く渋滞に巻き込まれている。

それにしてもこの大雪には、オレの車は不利だなと、前のワンボックスカーを見ながら思った。

オレの自慢の愛車は、フェラーリである。
いつもはこの高速道を、この車に敵うものはいまいと思って走っているが、今はこの車が敵う車はいないと思う。

この狭い2シーターの車内に閉じ込められていると、メチャクチャ気が滅入ってくるのだ。

具体的に言えば、リクライニングができないので、腰が痛い。
窓ガラスの傾斜がきついので、ワイパーを回し続けないとどんどん雪が積もる。
でも燃費が悪いので、エンジンをかけっぱなしにできない。
きっと外から見たら、車高の低いオレの車は雪に埋もれているに違いない。
これでは、渋滞が解消しても、車が動かないかもしれない。
とにかく、アラばかりが目立つ。

そんなわけで、普段はカメだと馬鹿にしているワンボックスカーを、ああ、車内がひろくてうらやましい、などと思ってしまうわけだ。

「誰か、100万払うから助けてくれ!」
我慢がきかなくなり、オレは叫んだ。
オレは、セレブの家に生まれた一人息子だ。金ならいくらでもある。
ホレ、金をやるぞ。だから、そのワンボックスカーをオレに譲れ。

と、そこで、オレの叫びを読み取ったかのように、前のワンボックスカーのドアが開いた。

出てきたドライバーは、小太りの温和な感じの中年男である。
言わば、人のよさそうな男だ。
しかし普段、オレはこういうタイプの人間を馬鹿にしている。いい人=いてもいなくてもいい人、だと思うからだ。

そいつは、膝元まで埋まる雪を踏み分けながらオレのほうに向かってきた。
なんの用だと思い、オレは窓を開けた。

すると、そいつは笑顔で語りかけてきた。
「弱りましたね。この大雪」

「えっ、まぁ…」
いかにも人の良さそうな馬鹿の言いそうな無駄話だと思いながらオレは答える。

「まだ、渋滞が続きそうですから、よかったら私の車で休んで下さい」

「えっ?」
思ってもみない話の展開に、オレは言葉を失った。

そんなオレに、そいつはさらに福々しい笑顔をつくって言った。
「私の車、後部座席を倒せば、横になれますので、少しは楽になれますよ」

「はぁ、どうも…」
オレは気力も体力も限界に近づいてきていたので、その言葉に甘えることにした。

で、そいつのつけた大きな足跡を借りながらワンボックスカーにたどりつき、車内の二列目のシートに乗り込むと、助手席にはそいつの女房らしき女がいた。

その女もまた、人の良さそうな福々しい顔をしていた。

その女は、お多福のような面をオレに向けると、「大変な雪ですね。汚い車内ですけど、ゆっくり休んで下さい」と言った。

「どうも…」と、こういう雰囲気に慣れていないオレは愛想のない返事をした。

しかし、女は苦にしない様子で笑顔を崩さず尋ねてきた。
「お腹、すいてませんか?」

「ええ、まぁ」とオレは正直に答えた。10時間以上何も口に入れていないので、腹ぺこだったのだ。

すると、女は銀紙につつんだおむすびと、緑茶の入ったペットボトルを差し出した。
「これよろしかったら、どうぞ」

「いいんですか?」

「遠慮しないで」と言ったのは、運転手に座る夫のほうだった。

「お金はらいます」とオレは言った。

「何言っているんですか。困ったときはお互い様ですよ」と夫が言うと、妻も続いて「そうですよ。私が握ったものだから、お口に合うかわからないですけど、どうぞ召し上がってください」と言った。

「スミマセン」
オレは好意に甘えて、おにぎりを口に入れた。

おいしかった!
温もりがあって、優しく握られていて。これまで食べたどんなおにぎりよりも…。

救いのミス

オレは昨日、大きなミスをしてしまい、上司にひどく怒られた。

その憂さ晴らしに、一人で居酒屋に行き、日がかわる時分までめちゃくちゃ飲んだ。
悪酔いしすぎて、家に帰る気力は失せた。
居酒屋を出ると、近くに安ホテルがあったので、そこに素泊まりすることにした。

目が覚めたら、午前7時半だった。
胸はムカムカするし、頭はガンガンだ。とても朝食など食べられそうにない。
ただ喉が非常に渇いていたので、ホテル内の自動販売機でオレンジジュースを買って飲んだ。
それからシャワーを浴びると、だらだらと荷物をまとめて、チェックアウトした。

天気は快晴だったが、二日酔いと絶望感で、心は暗雲につつまれていた。

こんな状態では、アルコールで気を紛らわすわけにもいかない。
さて、今度は何に慰められたらよいのかと案じながらトボトボ歩いていると、この界隈で有名な神社が見えてきた。
ヨシ! こうなったら、後は神頼みしかないと思い、その神社に直行した。

賽銭箱の前に立つと、奮発して500円硬貨を入れ、長々と祈りを捧げた。
それだけではこの絶望感から回復する御利益を得られないと思い、お守りを買い、ついでにお神籤も引いた。

そして、どうか、大吉が出ますようにと念じながら、お神籤を開いた。

えっ…。

予想もしない結果に、オレは絶句した。
開いたお神籤は、なんと、白紙だったのだ。

どこまでツイていないのだと腹が立ち、お守りを売っている窓口に文句を言いに行った。

すると、こんな答えが返ってきた。

「神様だって、時にはミスをしますよ」と。
そして、オレのクレームを受けた年配の男性事務員は、水戸黄門のようにカッカと高笑いした。

オレは呆気にとられたが、つられて笑ってしまった。
そのせいか、オレの心に充満していた怒りも絶望感もスッと抜けていったのである。

オレは握り拳を開いて、しわくちゃになったお神籤を丁寧に伸ばすと、己の背筋も伸ばし、もう一度、神社に向かって頭を下げた。

学園ドラマソング三昧な祝日

みなさん、好きな学園ドラマって何ですか?

ワタクシは、中村雅俊さんが先生役で主演した『ゆうひが丘の総理大臣』です(オヤジ世代のドラマか…)。
あのドラマ、内容だけでなく歌もいいんですよねぇ。
今でも、ときどき口ずさんでしまいます。

そのほか、「スクールウォーズ」、「金八先生」、「熱中時代」、「教師びんびん物語」、びんびんつながりで「毎度お騒がせします」(これは学園ドラマか?)、SFでは「ねらわれた学園」など、いろいろ名作がありますなぁ。

で、なぜそんな話をしたかといいますと、本日、午後0時15分~10時45分(なが~い、三昧すぎる)、NHK-FMで『今日は一日“学園ドラマソング”三昧』があるからです。

今日は、天気も良いので午後のウォーキングの最中、この番組を聴こうと思っています。
その間に、自分の好きな学園ドラマソングが流れればいいなぁ~。

勇気がいる買い物

昨日一日降り続いた大雪が止み、お天道様も顔をのぞかせてくれたので、本日午前中、買い物に行って参りました。

しかしまぁなんですなぁ、道路の雪すごいこと、すごいこと。
さすがに大通りはきれいに片付けられていましたが、わきの道は根雪が一面に張りついており、ハンドルを取られること、取られること。ソチオリンピックの氷上のスケーターのようには、うまくコントロールできません。

そんな大変な思いをして食材を買ったついでに、TSUTAYAに寄って参りました。

午前中だったせいか、はたまた悪路のせいか、お客さんは少なかったです。
ま、でも、そのお陰で、ゆっくり本を見て回れたわけですが、レジの近くのコーナーに平積みされてあった本を立ち読みしていましたら、ちょっと感じたわけですよ、視線を。

それで、チラリとレジのほうを見ましたら、20代前半ぐらいの小柄なかわいらしい店員さんがレジの向こうから、冷めたような目でコチラを見ていたわけであります。

で、ワタクシ、もしかしたら彼女、「このオヤジ、立ち読みで済まそうとするつもりか」なんて思われているんじゃないかと想像してしまいまして、このまま手ぶらで帰るわけにはいかないという変なプレッシャーに襲われてしまったのです。

そんな精神状態が影響してか、角に平積みされていた本をヒザに当てて落としてしまうわ、その本がグラビアアイドルの写真集で慌てるわで、ダメおじさんの上書きをどんどんしてしまった次第です。

で、一刻も早く立ち去りたい思いで選んだ本が、ホリエモンこと堀江貴文氏の書かれた『ゼロ』(ダイヤモンド社)であります。
新聞の書評欄で紹介記事を読んで、刑務所のなかの仕事でも楽しみを見いだせたという堀江氏のたくましさを学びたいと思い、この本の購入に踏み切ったわけですが、あまり快く思わない人も多い堀江氏の本をレジに出すのは、ちょっとためらいもありました。

レジには、4人の女性店員がいまししたが、どうかボクに冷たい視線をおくった店員に当たりませんようにと祈りながら、レジ待ちの行列に並びました。

でも、そういう時に限って悪い展開になるものです。
見事、その店員が「次のお客さんどうぞ」とワタクシに声をかけてきました。

とぼけて受け流すわけにもいかないので、仕方なく、表表紙を裏にして彼女にその本を手渡しました。

なのに彼女、ご丁寧にも表表紙に戻し直した本をボクに見せるように高く傾け、「袋は必要ですか?」とキュートな笑顔で訊いてきたのです!

答えは、もちろん。「はい!」=すぐにその本をビニール袋で隠して下さい!

いままで、この店でそんなこと尋ねられたことないのにと思いながら、雪道以上にコントロールできない気持ちでTSUTAYAを後にしたワタクシでした。

楽しみ星新一ドラマ

ワタクシ、毎週日曜日に一週間分のテレビ番組表をチェックし、そのなかから面白そうな番組を録画予約するのを習慣にしているのですが、本日、SF小説好きにはタマラナイ番組を探し出しました。

その番組は、「土曜プレミアム・星新一ドラマスペシャル」

星新一先生と言えば、SF小説ファンでなくても知られている「ショートショートの神様」。ワタクシも何作か愛読しております。

で、この番組。5作品をオムニバス形式で放送しまして、その5作品とは、

『きまぐれロボット』
『七人の犯罪者』
『霧の星で』」
『華やかな三つの願い』
『程度の問題』

となっております。

2月15日(土)、午後9時から、フジテレビ系で放送されます。
関心のある方は、ぜひチェックを。

雪かきに教えられること

今日はせっかくの休日でしたが、けっこうな地域で大雪だったようですね。

ボクの住む地域も雪が降り止まず、何回も雪かきをしなければなりませんでした。

でも、雪かきをすると教えられることも多いものです。

暖かい部屋の中にこもっていると、吹雪で見る見る間に積もっていく雪景色に圧倒され、こんな過酷な状況で雪かきをすることにもの凄い負担を感じるものですが、いざ、雪かきをはじめると、思っていたほど大変でなく、問題も小さくなっていくものです。

どこかの本で、台風の目の中は穏やかなように、問題のなかに飛び込んでしまえば、外で思い悩んでいるより、穏やかな気分になれるものだと書いてありましたが、雪かきをすると、確かにそうかもしれないと実感できます。

実際は、なかなかそう簡単に気持ちを切り替えられないものですが、雪かきをして汗を流せば、少しは爽快な気分になれるので、リフレッシュの方法としてはなかなか有効だと思います。


足跡の怪

ボクがその異様な足跡に気がついたのは、10センチほどの雪が積もった早朝のことだった。

車に雪を踏み固められないうちに、雪かきを済ましてしまおうと、ボクは朝の6時から雪かきをはじめた。

幸い、ボクの家の前は、それほど交通量が多くないので、ほとんど雪道は荒らされていなかった。
お陰で、きれいに雪が片づいたし、邪魔も入らず仕事がはかどった。

体がだんだん温まってくると、雪かきも苦にならなくなってきた。
ヨシ、今日は休日だし、日頃の運動不足でも解消しようと、となりの空き家の前の雪もかづけることにした。

と、そこで、その家の門から敷地内につづく不審な足跡に気がついたのである。
その足跡とは、六本足の獣が通ったようなものだった。



この家は、5年ほど前から、一人暮らしの老女が亡くなってから空き家になっている。
3ヶ月に一回程度の割合で、離れて暮らす娘が掃除に来るくらいで、普段、誰も訪れることのない家だ。

それが、なぜ…。

ボクは雪かきのスコップを武器がわりに持ちかえると、恐る恐るその足跡の後をついて行った。

すると、足跡は、その家の玄関の手前で消えていた。

犯罪のにおいを感じたので、失礼だと思ったが、ボクはその家の玄関ドアを開けてみることにした。

しかし、カギがかかっていた。
家の中も、静かで人がいる気配はない。

この事件を連絡しなければと思い、ボクは自宅に戻り、さっそくこの家の娘に電話をした。

すると、娘は苦しそうな声で答えた。
「大雪が降るという予報でしたので、雪かきをしようと思い、今朝5時くらいに家に行ったんです。そしたら、玄関のところで転んで腰を痛めてしまい、這いながら車に戻るハメになってしまって…。その足跡は、たぶんその時ついたものだと思います」と。


神様の箸休め

今日は、ホント、春のような陽気でした。
ウォーキングしてても、ウキウキしてきますね。
ということで、今日はいつもと違うコースを歩いてみました。

そのコースには、新興住宅地があるのですが、久しぶりに訪れると、雨後の筍のように、また新たな住宅が増えているではありませんか。
バラエティ豊富な住宅が立ち並んでおり、まるで巨大な住宅展示場に迷い込んだようです。

それにしても、みなさんお金ありますね。
家も立派ですが、駐車場に置かれた車も、高級車や新車が多いです。
どこにお勤めかと、訊いてみたくなります。

ま、うらやましがっても仕方ないので、自分は自分なりの幸せを構築していけば良いと気持ちを切り替え、散歩を継続しましたが、愛聴しているNHK-FMの「レターフォーリンクス」で、いいことを言っていました。

今日紹介されたレターは、阿川佐和子さんのもので、料理でもそうだけど、メインディッシュだけがテーブルにど~んと置かれているよりも、箸休めの漬け物や小鉢などが添えられていたほうが、より彩りがあっていいように、人間社会も、箸休めの存在のような人もいなければ、彩りがなくてつまらなくなるのだという話でした。

詳しくは、ここ「神様の箸休め」にリンクをはっておきましたので、関心があったらご一読を。
めげずに、また一週間がんばろうと励まされます。

癒やされるアニソン番組

何度か書いていますが、ワタクシ、休日の土曜日と日曜日の午後2時から3時半は、FMラジオを聴きながらウォーキングをするのを習慣にしております。

で、その時間にやっているおもしろそうな番組を選んで、愛聴することになるわけですが、昨年3月、NHK-FMの「土曜日レディ 〜Lady Saturday Go」が終わってから、その後継番組が肌に合わず、愛聴するものがなくなり、なが~く土曜日の散歩の楽しみが半減していました。

ところが、有り難いことに、つい最近、愛聴できる番組をみつけることができたのです。

その番組は、しょこたんこと中川翔子さんがパーソナリティを務める「アニソン・アカデミー」です。
実はこの番組、ワタクシが肌が合わないと言っていた「土曜日レディ」の後継番組なのです。

この番組は、アニソン歌手さんや、声優さんなどをゲストにむかえトークを行ったり、昔懐かしいアニソンを流したり、リスナーからの投票をもとにアニソンのランキングを発表したりと、アニソン三昧な内容となっております。

となると、いいトシをしたオッサンが、こんな番組を愛聴していたら、どう思われるでしょう。
いろいろな見解があるでしょうが、ボク的にはキモイ。
というわけで、敬遠していたのであります(でも、冷静に考えると、土曜日レディも女性向けの番組で、オヤジが愛聴する番組としてはキモさは同等か)。

それがなぜ、心境の変化が起きたのかというと、食わず嫌いもいけないから、試しに最後まで聴いてやろうと思ったのがキッカケです。

実際、聴いてみると、常に謙虚な姿勢で声優さんとのトークをするしょこたんの人柄がよろしく、声優さんの苦労話や、知っている昔懐かしいアニメの裏話などを聴くことができ、一気に子ども時代にタイムスリップできるようで、実に癒やされるのであります。

それに、アニソンって、元気がでてくる歌詞のものが多いんですよね。
精神衛生上、とてもよろしい番組であると見直したという次第です。

それにしても、子どもの頃に聴いた曲って、今でも覚えているもんですね。
頭の柔らかい時期に、いろいろ吸収することの重要さを改めて認識しました(今更、気づいても、手遅れか)。

それでは、バイナラ ナラバイ(ウォ~!斉藤清六。これも古っ!)



ボケ合戦

今日は健康相談で近くの診療所に行ってきましたが、インフルエンザがはやっているようですね。
待合室は、マスクをした人でいっぱい。
病院にいって病気をもらってくるようなことになりかねません。

感染予防にマスクをもってくればよかったと後悔しつつ、なるべく息をしないようにしていたら、頭がクラクラしてきました。
これはいけないとトイレに避難し、呼吸をととのえてから出たら、後にトイレに入ろうとしたヨボヨボのおじいさんが、うつむき加減で、トイレの前でうなるようにボソボソつぶやきはじめました。

見捨てるわけにもいかず、「どうしたのですか」と尋ねたら、いきなりボクの顔を見て、「あっ!」と声をあげました。

失礼ですが、ちょっと痴呆が入っている様子でしたので、ボクを誰かと勘違いしているのかと思い、「何でしょう?」と尋ねると、今度は「スリッパ!」と声をあげました。

ハッと気づいて自分の足下をみると、何とトイレのスリッパを履いたまま外に出てしまっていたのでした。

最近、うっかりミスが増えていることに自信を失っていましたが、さらにまた不安が増しました。
このことも、先生に相談しようかなぁ、なんてブルーな気分に。
でも、それも忘れて家に帰ってしまった間抜けなボクでした。

乗り越える勇気を与えてくれる本

ドストエフスキーの名言に、「人間はどんな環境にも慣れるものだ」というものがありますが、それを証明するような衝撃的な本に出会いました。

その本の題名は、『督促OL 修行日記』(榎本まみ 文芸春秋)
作者は、某信販会社のコールセンターで働くOL。
で、どんな電話をしているかというと、借金をしてお金を返さない人たちへ督促をするというものです。
同書は、新卒でいきなりそこに配属され、一人前になるまでの悪戦苦闘の日々を書いたものです。

しかし、督促という仕事、大変なものですな。
「今からお前を殺しに行くからな」などと脅されたり、「払う時に払うんだから待ってろ!」と逆ギレされたり、それはもう、ストレスフルなお仕事です。
そんなキツイ仕事を、朝7時から夜11時までやらされるのですから、余程の精神力がなければ務まりません。
事実、この仕事に耐えられなくて辞めていく社員は珍しくないそうです。

そんななか、生き残った彼女は、余程の強者と思われるかもしれません。
ところが、彼女、人見知りで話し下手で気弱な性格。つまり、この職場にまったく合わないタイプの人間なのです。

そんな彼女が、心身共にボロボロになりながら、いつしかこの過酷な職場で働く意味を見いだし、スゴイ成績をあげていくようになるのです。

この本の締めで語られた言葉が感動的です。

「古戦場のようなコールセンターで働くうちに、いつの間にか自分の体にはたくさんの言葉の刃が突き刺さっていた。でも、その一本を引き抜くと、それは自分を傷つける凶器ではなく剣になった。その剣を振り回すと、また私を突き刺そうと飛んでくるお客様の言葉の矢を今度は撥ね返すことができた。それから、仲間を狙って振り下ろされる刃からも仲間を守れるようになった。そうか、武器は私の身の中に刺さっていたのだ。仕事をする中で誰かから傷つけられることはたくさんあったけど、そのおかげでできるようになったこともたくさんある。今まで私が先輩やお客様からもらってきたのは、これからより強く生きていくための武器と盾だったのだ」

どの職場も大変なものです。そのなかでやっていくには、乗り越える勇気が大切だと教えてくれる本です。

作者はブログもやっていますので、関心があったらのぞいてみてださい。
「督促OLの回収4コマブログ」



01 | 2014/02 | 03
Su Mo Tu We Th Fr Sa
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 -
プロフィール

マウントエレファント

Author:マウントエレファント
アルパカとバラとスプリング、つまり春(おまえはルー大柴か)を愛するナイスミドル?なサラリーマンです。でも同僚には、そんな趣味、ばらしません。キモイっていわれますから。残念!(古っ!)

にほんブログ村
ランキングに参加しています。投票していただけると励みになります。
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 にほんブログ村 小説ブログ SF小説へ
にほんブログ村 にほんブログ村 イラストブログ 挿絵へ
にほんブログ村 にほんブログ村 漫画ブログ 4コマ漫画へ
にほんブログ村
人気ブログランキング
ランキングに参加しています。投票していただけると励みになります。
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
小説・文学
303位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
SF
1位
アクセスランキングを見る>>
最新記事
カテゴリ
英検準1級単語ドリル 黒猫版
日々の努力が実を結ぶ

計算×50
頭の体操にどうぞ
名言
不安な明日も先人の励ましで乗りきりましょう

地球の名言 -名言集-

最新コメント
お気軽にコメントをどうぞ
月別アーカイブ
アクセスカウンター
リンク
リンクフリーです
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

検索フォーム
QRコード
QR
RSSリンクの表示
最新トラックバック
カテゴリ