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赤子の反撃

「ふふふっ、さすがの軍師寛平といえども、まったく手が出せんようじゃわい」
100メートルほど離れた場所で身動きできずにいる武将赤池義清が率いる軍を見て、火縄銃を構える100人の兵をもつ、武将織田時宣は高笑いする。

織田時宣の支配する地は、肥沃でかつ海にも面している。
それに比して赤池義清の治めるのは、山に囲まれた貧弱な地だ。
財の築きやすさにおいては、とても適う相手ではない。

織田時宣はその財力を使って、火縄銃を100本所有することが可能になった。
これは赤池義清が所有する火縄銃数の20倍である。
銃撃戦になれば、赤池義清に勝ち目はない。

織田時宣の治める地を手に入れたい赤池義清であるが、むしろ敵の圧力におされ、ついに己の陣地まで攻めこまれている。

「弓矢など、もう時代遅れの武器じゃ」織田時宣は余裕綽々といった様子で、跨る馬のたてがみをねじる。「そのような武器しか揃えられぬ赤池義清軍なぞ、それこそ、赤子の手をひねるようなもんじゃ」

たてがみをねじりあげられた馬がヒヒ〜ンと前足をあげて嘶くと、それにつられて、火縄銃を構える兵たちもせせら笑う。

「さて、それでは、そろそろ戦を始めるとするかのう」
織田時宣は皆に聞こえるようにそう言うと、軍配を赤池義清軍の方に向ける。

ヤーッ!!
その号令に機敏に反応し、火縄銃をもつ兵隊たちは、矢のような勢いでその方向に駆け出す。

すると、軍師寛平は命を下し、兵を撤退させる。

「おうおう、蜘蛛の子を散らすように逃げとるわい」織田時宣は軍配を庇のように額の上に掲げ、敵兵の哀れな光景を楽しげに物見する。そして軍配を力強く前に向けると、馬の尻をたたくように叫んだ。「さぁ、どんどん進め!」

オーッ!!
地鳴りのような声を轟かせ、敵兵たちはさらに大地を強く蹴る。

と、その矢先だった。

兵たちの足は重力を失ったかのように、地面に沈んだ。
織田時宣の乗る馬の足も、為す術もなく沈没していく。

「うぬ、やりよったな…」
織田時宣は、沼地に敷き詰められた草を掴んで唸る。
水に浸かっては、火縄銃はまったく役に立たぬただの棒だ。

術にはまった様子を確認した赤池義清軍は、怒涛のごとく引き返すと、沼地にもがく織田時宣軍に向かって豪雨のごとく弓を放った。
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